NHK 解説委員室

解説アーカイブス これまでの解説記事

ガソリン価格 抑制策の効果は?

関口 博之  解説委員

(アナ)
原油の高騰でガソリンが値上がりし、政府の価格抑制策が発動されることになりました。関口解説委員です。

C220126_0.jpg

岸田さんが「応急処置」のお金を持って走っています。

(関口)
コロナで苦しい中、更に燃料高で家計や企業が追い打ちを受けるのを防ぐためです。
一時おさまっていた原油高も年明けからまた上昇し、先週は7年3か月ぶりの高値も付けました。

(アナ)
おかげでガソリン、本当に高いですよね。

(関口)
価格抑制策はレギュラーガソリンの小売価格の全国平均が1ℓ・170円を超すと発動というルールなんです。
24日時点で170.2円を付けたので、木曜から発動となりました。
国は石油元売りに補助をして、卸値を上げないようします。
上限は1ℓ当たり最大5円、ガソリンの他、灯油・軽油も対象です。

(アナ)
スタンドでの価格もそれに連動するでしょうか?

C220126_2.jpg

(関口)
卸値を上げないので、基本的には横ばいになるはずです。
ただ、小売価格はあくまで各スタンドが決めるものです。
競争が厳しい所では170円以下に抑えられるでしょうが、今の卸値でも赤字できついという店もありますから、必ずしも一律170円となるわけではありません。

また、この対策、「急激な値上がり」を防ぐのが狙いです。
価格をどんどん押し下げていくような仕組みではありません。
しかも当面、3月末までという時限措置です。

(アナ)
となると、効果は限定的かもしれませんね。

(関口)
そうなんです。
さらに原油高の要因は中東情勢など一時的なものだけではありません。
背景にあるのが、実は「脱炭素化」なんです。

(アナ)
それがどうして?

C220126_4.jpg

(関口)
石油など化石燃料は将来、減らさなければなりません。
新たな開発をしてもお荷物になりかねないので投資は減っています。
となると当面は、逆に供給不足も起こりかねません。
こんな思惑が、高値を招いている面もあるのです。
長い目で見ると、世界はこんなジレンマも抱えていますから、応急処置だけではすみそうにないと私は思っています。

(関口博之 解説委員)

関連記事