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入試シーズン始まる 濃厚接触者やオミクロン対応、受験機会は?

二宮 徹  解説委員

今年も入試シーズンが始まりました。新型コロナの感染が急拡大する中でスタートした今年の入試について解説します。

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今年の入試は、すでに私立の中学校や高校の一部で始まっています。
去年、大学入試センター試験から替わった大学入学共通テストは今週末に行われますが、ここでの感染対策は、このあと個別に試験を行う学校や自治体が参考にします。

今年の大学入学共通テストの会場での感染対策は、3密回避や換気の徹底、マスク着用など、去年とほぼ同じです。
濃厚接触者は、▼行政のPCR検査で陰性、▼当日無症状、▼公共交通機関を利用しないという条件を満たせば、別室で受験できます。座席の間隔は、通常の倍の2メートル以上を確保します。
文部科学省は、オミクロン株の濃厚接触者も別室で受験できることにしましたが、ほかの濃厚接触者らとは違う部屋にするのが望ましいとしています。
ただ、必ずオミクロン専用の別室を設けるとはなっておらず、最終的には学校側の判断なのですが、各会場で努力して、専用の別室を用意してほしいと思います。

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受験生は、これから感染したら受けることができなくなってしまうという不安でいっぱいです。そうした不安に対して、このあとの個別入試で増やしてほしいのが追試です。
大学は、ほとんどが追試や振替日程を設定していますが、感染や症状によっては追試も受けられません。それに、私立の中学、高校などでは追試がない学校も目立ちます。
このため、体調が悪いのに無理して受験することがないよう、追試や再追試で受験機会を確保するとともに、学校の成績や面接・小論文などで判定する救済措置も考えられます。
学校や自治体には、頑張ってきた受験生の立場に立って対応してほしいと思います。

(二宮 徹 解説委員)


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