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進まぬ コロナ版ローン減免

今井 純子  解説委員

コロナの影響で生活に困っている人を、必要な支援策に導こうと、日弁連=日本弁護士連合会は、きょう、無料の電話相談会を開きます。ただ、この支援策。課題を指摘する声もあがっています。今井解説委員。

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Q)コロナで生活に困っている方への支援策。様々なものが出てきているのですね。
A)そうなのですが、事態の長期化にあわせて、次々、追加したり、修正したりした結果、わかりにくくなっているという声もあります。そこで、きょう、日弁連が無料の電話相談会を開くことにしたのです。

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Q)それぞれに見合った支援策に導こうというのですね。
A)はい。ただ、このうち、借金を返せなくなって、自己破産に近い状態になっている個人や個人事業主の「ローンを減免する制度」を見てみると・・。「自己破産と違って、金融機関の信用情報=ブラックリストに載らない上、原則、連帯保証人に請求がいかない」ということで、期待が高かったのですが、始まって1年。およそ1400件の申請があったのに、成立したのは15件にとどまっています。

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Q)なぜ、これほど少ないのですか?
A)まず、制度上は、対象が去年10月30日までの借金に限られているという点があります。コロナの長期化で、その後に借金をした人も多くいますが、対象外になっています。
さらに、そもそも、減免にはおカネを貸しているすべての金融機関の同意が必要なのですが、応じない金融機関も少なくないというのです。

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Q)どうしたらいいのでしょうか。
A)日弁連や地域の弁護士会は、きのう、制度や運用の改善を求める談話・声明を相次いで発表しました。これを受け、政府も、対象外の借金を含め、柔軟に、そして積極的に支援するよう金融機関に呼び掛けるとしています。金融機関にとっても、破産より、この制度を利用して、すみやかに生活や事業を再建してもらった方が、地域の活性化、そして、次の活動のための融資につながるメリットがあります。政府の呼び掛けで、制度の活用にはずみがつくか、注目していきたいと思います。

(今井 純子 解説委員)

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