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COP26 "コップ"の中身は?

土屋 敏之  解説委員

◆31日からイギリスで温暖化対策の国連の会議COP26開催

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COP26の“COP”は「締約国会議」の英語の略ですが、こちらの“コップ”は「世界全体でCO2をどれだけ排出できるか」の容量を表すもので、議論するのは言わばこのコップの中身をこれからどう抑えるかです。
今も各国がここにCO2を排出、つまりバケツで注ぎ続けていますが、パリ協定の目標である気温上昇を1.5℃までに抑えるためには、あと5千億トン以下しか空き容量がありません。これは各国が今のペースのまま注ぎ続けると、あと十数年でいっぱいになってしまう量です。

◆こうした中でCOP26では何が焦点に?

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議題はまず、パリ協定の実施ルールでまだ決まっていない点を決めることです。例えば「透明性」と言って各国の排出量などを正確に報告させる、言わばそれぞれのバケツをガラス張りにするルール作りがあります。また「市場メカニズム」と言って、例えば日本が途上国に協力してCO2を減らしたらその一部は日本の排出が減ったことにできる、言わばバケツの売り買いのルールもあります。
ただ、これらと別に最も注目されるのが、COP26にあわせ各国がさらなる削減強化をどれぐらい打ち出すか?です。

◆少しでも上昇のペースを抑えなくてはならない

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この大きなコップがいったんあふれてしまうと後から頑張っても1.5℃に抑えるのは困難になるため、一刻も早く各国のバケツ自体を小さくする必要があります。今年、日米などが相次いで2030年の新たな削減目標を打ち出しましたが、中国やインドなど排出量が多い他の国々にも早期の大幅削減が求められます。
議長国のイギリスは各国に早期の石炭火力廃止や脱ガソリン車なども呼びかけていて、 COP26を機に脱炭素社会への動きをどれだけ加速できるかが問われています。

(土屋 敏之 解説委員)

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