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郵政株 政府が最終売却 ~ 民営化に節目

竹田 忠  解説委員

政府は早ければ今週にも、日本郵政の株の最終売却を行います。
担当の竹田忠解説委員に聞きます。

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Q①この絵は、政府が郵政の株を一生懸命売り込んでいる、という感じですか?

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A
そうなんです。というのも、
そもそも郵政民営化の大きな流れが始まったのは、
2005年、小泉政権の時のいわゆる「郵政選挙」です。
その2年後、正式に民営化がスタートした。
しかし、それから14年たっても、いまだに政府が6割の株を持っている。
そこで、今回、株を売却して、法律で規定されている
3分の1ギリギリまで比率を下げようというわけです。

Q②株を売ったお金はどうなるんですか?

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A
そこがきょうのポイントなんです。
株を売ったお金は、東日本大震災の復興財源にあてることになっている。
郵政株の売却だけで、合わせて4兆円を調達する目標で、
すでにこれまでに何度か売却していて、
今回は残る9500億円を捻出しようと。
そのためには、計算上、一株920円程度で売る必要があるんですが、
実は最近、郵政の株価はそれを下回っていて、先週の終値だと876円80銭。
株価に開きがある。
売り出し価格は政府がこれから決めることになっていて、
いくらになるか、大きな焦点です。

Q③なぜ、株価が低迷しているんですか?

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A
株式市場の値動きが、この所不安定という背景もありますが、
そもそもこの売り出しは、おととし行う筈だった。
それが、子会社のかんぽ生命の不正営業が大問題となって、
株価が値下がりして、先送りされた。

こうしたことが響く形で
日本郵政の株価は、6年前の上場直後につけた、
最高値の1999円の半分程度に最近はとどまっているわけです。

Q④日本郵政としては、どう対応しようとしてるんですか?

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A
最近は楽天に出資をしたり、
デジタル投資を急いだりして
相次いで成長戦略につながるような
新機軸を打ちだしています。

今後の流れとしては
焦点の売り出し価格が
きょうから三日間のうちに決定されて、
早ければ今週中にも売却されという運びになります。
2007年に始まった郵政民営化が
国民からどう評価されるか、
大きな節目を迎えることになると思います。

(竹田 忠 解説委員)


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