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連合に初の女性会長~課題山積みでの船出

牛田 正史  解説委員

10月6日、労働組合の中央組織「連合」で、新たな会長が選出されました。
連合が発足して30年以上たちますが、初の女性の会長となります。

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連合は組合員が約700万人いる、日本最大の労働組合の中央組織。
その新しい会長となったのが芳野友子さんです。(よしの・ともこ 55歳)
中小企業の労働組合などで作るJAM(ジャム)という組織の出身で、女性の雇用環境の改善などに取り組んできたことが評価されて、初の女性会長に選ばれました。
しかし今、雇用を取り巻く環境は、いくつも課題があります。
実は今回、会長の立候補者がしばらく見つからず、届け出の締め切りを延長するという異例事態も起きました。それだけ難しい時に就任するとも言えます。

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では、具体的にどんな課題に対応しなければならないのか。
まずは「新型コロナによる雇用危機」、そして「非正規雇用の格差是正」です。
どちらも非正規雇用で働く人が、特に大きな影響を受けています。

労働組合は、組合員の声を集めて、国や経営者に改善を求めていく役割がありますが、実は今、組合に加入する人は全体の20%を下回っています。
特に非正規労働者の加入率が低くなっています。
そうした中で、組合員だけでなく働く人すべてに目を向けて、コロナ対策、そして格差是正を訴えていく必要があります。

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そして、政党との関係もあります。
連合の内部では一部で、「立憲民主党」と「国民民主党」で支持が分かれているところもあります。芳野さんは、このバランスをいかに取っていくか、そして、求心力も問われることになると思います。

非正規労働者は特に女性が多く、今挙げた「新型コロナ対策」や「格差是正」といった課題は、芳野さんがこれまで取り組んできた運動とも密接にかかわります。
「正社員クラブ」と揶揄されたこともある連合ですが、どこまで運動を広げられるのか、そして、労働組合の存在感を広く示していけるのか、注目していきたいと思います。

(牛田 正史 解説委員)


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