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1年前と一変 自民党総裁選

田中 泰臣  解説委員

自民党総裁選挙がきょう告示され、4人が争う構図となります。

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Q)誰がトップで駆け抜けそうでしょうか?

A)1年前の前回と違い、きょうのスタート時点では誰が先頭でゴールテープを切るのか見通せない状況です。前回は菅総理大臣が、すでに告示の時点で圧倒的に優勢となっていました。今回は岸田派を除き、多くの派閥が支持を一本化しない方向で様相が一変しています。

Q)その要因というのは?

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A)衆議院選挙が目前に迫っているのが大きいと思います。若手の議員を中心に、派閥間で権力闘争をしていると見られるのは党にとってマイナスだなどとして、自主投票を求める声が相次ぎました。自民党の衆議院議員は、当選3回以下が全体の4割以上に上り、派閥としても無視はできません。また勝利を確信できる候補者がいない中、1人に絞り切れないという事情もあると見られます。

Q)総裁の選び方も前回と違いますよね?

A)今回は、国会議員票と同数の扱いとなる党員投票が行われます。このため議員票のみならず党員票の獲得が重要なポイントになります。

Q)その党員票が勝敗を左右するのでしょうか?

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A)重要なのは間違いありませんが、誰も過半数を獲得できなければ、上位2人による決選投票が行われ、ここでは国会議員票が占める割合が変わり、9割近くに増します。今回と同様、現職が立候補せず党員投票が行われた9年前は、石破元幹事長が党員票の支持を伸ばし1位になったものの5人が立候補したこともあり過半数には届かず、議員のみの決選投票で安倍前総理大臣が逆転勝利しました。今回は4人。投票日までに誰かに過半数を獲得する勢いが出てくるのかどうか、また決選投票を見据えた各陣営・派閥の動きが注目です。候補者には、新型コロナウイルスへの対応はもちろん、長年続いた安倍・菅路線をどう総括するのかについて真正面からの論戦を期待したいと思います。

(田中泰臣解説委員)                                  

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