NHK 解説委員室

解説アーカイブス これまでの解説記事

島根原発合格へ どうする県庁機能移転

水野 倫之  解説委員

中国電力の島根原発2号機がきょう、審査に合格する見通しに。ただ島根原発にはほかにはない特殊な事情があり、再稼働に向けては大きな課題が。水野倫之解説委員の解説。

C210915_2.jpg

島根原発は全国で唯一、県庁所在地にあり、県庁との距離は8キロあまり。
仮に事故が起きれば、島根県は県庁に対策本部を構え、住民避難を指揮する計画だが、放射性物質が放出されて放射線量が上がれば、県庁ごと移転を余儀なくされることもありうる、これがほかの原発にはない特殊な事情。

C210915_4.jpg

そうなったら島根県は対策本部ごと隣の出雲市の県の施設に移転し、防災業務を行うとしているが、問題なのはその代替施設が原発から28キロと、30キロ圏内にある点。
30キロ圏は福島の事故を教訓に、住民避難がありうるとして避難計画の作成が義務づけられている区域で、重大事故が起きればここからさらに移転しなければならない可能性もある。
ただ対策本部は知事以下総勢100人以上の所帯で、広いスペースが必要で、出雲市の施設であれば原発から一定の距離があって広いスペースもあると県は説明。
現状、その先どこに移転するかは決まっておらず、今後の検討課題となっている。

C210915_6.jpg

このままでは福島の事故の教訓がいかしきれていない。
やはり30キロ圏外にも拠点を設けるべきで、見合う施設がなければあらたに作ればいいと思う。
また代替施設への機能移転について一部職員による訓練は行われているが、本部全体がスムーズに移動できるか確認する本格的な訓練もまだ。
原発はきょう正式に合格となるわけで、地元として早急に防災体制を強化することが求められる。

(水野 倫之 解説委員)

関連記事