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「中国の学校 思想学習の強化」(ここに注目!)

石井 一利  解説委員

中国では、多くの学校で、今月から新学期が始まりました。
これにあわせて新たな教材を使った思想学習が始まり関心を集めています。
石井解説委員です。

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新学期を迎えた子供たちが、持っている本、描かれているは習近平国家主席ですか?

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A:中国では、新学期を迎え、全国の小学校から高校で、それぞれ新たな教材を使って、習近平国家主席の名前を冠したいわゆる「習近平思想」の学習が、進められています。
日本の「道徳」や「社会」のような授業のなかで学習します。

Q:学校では、具体的にどのようなことを学習するのですか?

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A:内容は学年が進むと難しくなりますが、小学校の教材では、習主席は、「習近平おじいさん」と紹介されています。
あいまいだとも指摘されるこの思想ですが、授業では、習主席のことば、例えば、「愛国心は、世の中で最も深く、最も長続きする感情で、人が徳を積み、功を成す源だ」などといったことを学びます。
中国メディアは、「幼い心に「愛国」の種を埋める」と、その意義を強調しています。
いわゆる「習近平思想」は、4年前の共産党大会で、党規約に盛り込まれ、3年前には、憲法前文にも明記され、党員だけでなく、国民の規範ともいうべきものになりました。

Q:なぜ、新学期から、思想学習を強化するのですか?

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A:党のトップを決める来年の党大会に向け、習主席の求心力をいっそう高める狙いがありそうです。
習主席は、ことし11月の党の重要会議で、偉大な指導者として名をのこす毛沢東と鄧小平が行った歴史決議のような文書を作成し、さらなる権威付けにつなげる、との観測も出ています。
習主席は、これまで権力の集中を強めてきていて、共産党のトップとしての任期を迎える来年の党大会以降も、続投するとの見方が強まっています。
思想学習の強化や、さらなる権威付けという動きは、習主席の長期政権に向けた布石だと、注目されています。

(石井 一利 解説委員)

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