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フリーランスの人たちを守れ!

櫻井 玲子  解説委員

新型コロナウィルスの感染拡大や、働き方改革の影響で、フリーランスとして働く人たちが、今、増えています。そこで、政府はこうした人たちを守るための、新しい法律を作ろうと、検討を始めています。櫻井解説委員です。

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Q フリーランスの人たちが困っているようですが、何が問題となっているんですか?
A はい、フリーランスだと「会社に守ってもらう」ということができないため、取引先に対して、立場が弱くなりがちで、トラブルも多いということです。その原因ですが、仕事の中身や納期、それに報酬といった契約内容をきちんと確認できる書面やメールを、取引先からもらえていない、というのがトラブルの6割を占めています。
「本当は契約内容を書面で確認したいが、こちらからは言い出しにくい」
「内容や報酬が途中で変わっても、取引を打ち切られるのが心配で、文句もいえない」そういった声が、あがっているんです。

Q 政府はどう対応しようとしているんですか?

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A フリーランスで働く人と、取引先の間で、書面での契約を義務付ける、新しい法律を検討しています。実は、今の法律のもとでは、取引先が資本金1千万円以上の企業でないと、原則として規制の対象になりません。
企業がフリーランスの人たちに対し一方的に仕事を取り消したり、無理な要求をしたりしないよう、国はことしの3月には、企業が守るべき指針を発表しました。ですが、それだけでは、十分な効果が期待できない、という指摘が出ていたんです。
 
Q もう一歩踏み込んだしくみが必要だということですね。

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A そうなんです。フリーランスとして働く人は、全国で460万人以上。これに加えて、すきま時間を利用したり、副業として仕事を請け負ったりする人も含む、広い意味でのフリーランス人口は、コロナの影響による雇用不安もあって、この1年で、50パーセント以上も増えた、という民間の調査もあります。
国も「多様な働き方」を推進するからには、こうした人たちを守るしくみを、強化する必要があります。
急増するフリーランスの人たちが安心して働けるよう、対策を急いでほしいと思います。

(櫻井 玲子 解説委員)

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