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新型コロナウイルス 今後、どう防ぐ?リバウンド

中村 幸司  解説委員

緊急事態宣言が2021年6月20日で9つの都道府県で解除され、一部は、まん延防止等重点措置に移行されました。今後、感染の再拡大「リバウンド」をどう防ぐのか考えます。

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緊急事態宣言で、休業や営業時間の短縮、イベントの自粛などの対策をしてきました。その結果、上の図にあるように、新規感染者の数の棒グラフは、全国的には下がってきました。

Q:今後が気になりますが、この先に雲がかかっていますね。
A:感染リスクを高める新たな要因がいくつもあって、先が見通せない状況にあります。
その要因のひとつは、変異ウイルスです。日本では、すでにイギリスで見つかった変異ウイルス「アルファ株」に置き換わったとされていますが、さらに感染力が強いインドで見つかった「デルタ株」が広がることが懸念されています。
東京オリンピック・パラリンピックの開催に伴う感染拡大の心配も指摘されていますし、人の移動が多くなる夏休みも近づいています。

Q:そうなるとリバウンドが心配されますね。
A:専門家からは、リバウンドのリスクは高いと指摘されています。

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ワクチン接種によって、感染者の棒グラフを短くしてくれる期待はありますが、今の時点では、まだワクチンの効果は限定的と考えた方がいいと思います。

Q:リバウンドを抑えるために、どうしたらいいのでしょうか?
A:オリンピック・パラリンピックについては、6月18日に、政府の分科会の尾身会長など専門家が提言を示しました。その内容は、▽無観客での開催が望ましい、▽仮に観客を入れるのなら観客数は厳しい基準で、などといったものです。

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6月21日、観客の扱いについて、政府やIOCなど5者による会談が開かれるということですが、今後、大会の担当者と専門家とで感染対策をどこまで実効性あるものにできるか注目されます。

Q:変異ウイルスのデルタ株の影響も気になりますが、感染は抑えられるでしょうか?
A:人との接触や移動の機会を極力少なくするという、これまでの対策を一層の強化する必要があります。

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政府は、医療のひっ迫などの兆しがあれば、速やかに強い対策を行う、つまり感染の伸びをたたくとしています。
飲食店などからは、「自治体からの支援がまだ届いていない」、あるいは「不公平だ」などといった声が聞かれますが、そうした中、多くの人が納得できるよう対策を進めて、国民の協力が得られる環境をつくることが求められていると思います。

(中村 幸司 解説委員)

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