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ミャンマー どうなるスー・チー氏

藤下 超  解説委員

混乱が続くミャンマーでは、軍によって政権を追われたアウン・サン・スー・チー氏の拘束が続いています。これからスー・チー氏はどうなるのか。藤下解説委員です。

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Q。スー・チー氏は、いま、どんな状況なんでしょうか。

A。クーデターの後、4か月あまり軟禁状態に置かれ、裁判に出る以外、外の世界とのつながりを断たれています。
混乱の続くミャンマーの実情について、どの程度把握しているのかさえ、分かっていません。
あさって、76歳の誕生日を迎えますが、弁護士によりますと、健康状態に大きな問題はないということです。
スー・チー氏は、これまでに6つの罪に問われ、さらに汚職の疑いもかけられています。
汚職で有罪になれば、最長で禁錮15年の可能性があります。

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Q。その場合、刑期を終えると90歳を超えてしまいますね。

A。軍の狙いは、スー・チー氏を政治の舞台から排除したうえで、改めて総選挙を行い、軍主導の政権をつくることです。
スー・チー氏率いる政党NLD=国民民主連盟についても、選管が解党処分を検討しています。
ただ、国民の圧倒的な支持を集めるスー・チー氏抜きで選挙をやっても、国際社会の理解が得られるとは思えません。

Q。軍は、国際的な孤立も辞さないということでしょうか。

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A。現状では、孤立してでも権力の掌握を優先する覚悟のようです。
混迷する事態を打開しようと、ASEAN=東南アジア諸国連合が、いま、対話の仲介に乗り出そうとしています。
対話の実現に向けた焦点は、スー・チー氏の扱いです。
軍との対話の相手として、国民が納得できる人物はスー・チー氏以外おらず、民主派勢力も、対話には、スー・チー氏ら政治犯の釈放が先決だとしています。
日本をはじめとする関係国は、スー・チー氏抜きでの問題解決はありえないという立場を一致して示すことで、ASEANの仲介努力を後押ししてほしいとと思います。

(藤下 超 解説委員)

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