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『再生』G7 対中国で存在感示せるか

梶原 崇幹  解説委員

G7サミット=主要7か国首脳会議が、11日から13日までの日程で、イギリス南西部のコーンウォールで開かれます。会議の焦点について、見ていきたいと思います。

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Q)これは、映画館に首脳が集まっているのですか。

A)一時は客足が遠のいたレトロな映画館の価値を見直そうと、上映会に各国首脳が集まっています。もちろん、実際の会議は、厳しい感染対策が取られるので、このように密になるわけではありません。

G7は、新興国の台頭で世界経済に占めるG7の地位が低下したことに加え、アメリカのトランプ前大統領が、「時代遅れだ」と軽視したことから、機能不全が指摘されていました。

今回、G7関係者の間で共有されている目標は、「G7リバイバル、G7の再生」です。冷戦時代にそうであったように、民主主義や法の支配といった価値観を共有する国が結束し、存在感を取り戻そうというのです。

Q)会議の主なテーマは、何ですか。

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A)中国、気候変動、コロナ対策などですが、多くの時間を割かれるとみられるのは中国です。

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感染の早期の抑え込みに成功した中国は、みずからの権威主義的な政治体制が欧米より優れていると主張し、東シナ海や南シナ海では力で現状を変えようとし、香港や新疆ウイグル自治区では深刻な人権問題が指摘されています。

中国への懸念を共有し、民主主義の先進国グループが、権威主義に対峙していく強いメッセージを出すことが、G7の再生には不可欠です。

Q)菅総理大臣は、会議にどのような姿勢で臨むのでしょうか。

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A)菅総理大臣は、複数の首脳が直接顔を合わせる会議への出席は今回が初めてです。

日本は、中国と地理的に近く、一貫して中国の振る舞いに警鐘を鳴らしてきたことから、首脳間の対中認識のすり合わせでは議論をリードしたいところです。

さらに、菅総理大臣は、気候変動の議論でも、中国の二酸化炭素の排出量は、G7すべての排出量の合計より多いにも関わらず、2030年までは、削減どころか、増える可能性があることから、このテーマでも中国に働きかけるべきだと指摘するものとみられます。

G7の再生はなるのか、首脳同士の丁々発止の議論で菅総理大臣は存在感を発揮できるのか、注目したいと思います。

(梶原 崇幹 解説委員)

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