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あすは世界環境デー 生態系の回復は?

土屋 敏之  解説委員

◆6月5日は国連が定めた「世界環境デー」

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 世界環境デーは1972年に定められ、各国で環境保全や啓発活動が行われますが、毎年のテーマがあり、今年は「生態系の回復」が掲げられています。それだけでなく今年から2030年までは国連が「生態系回復の10年」としていて、そのスタートの日にもあたります。

◆なぜ「生態系の回復」がそれだけ重視されている?

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 今、世界で起きている多くの問題が生態系の悪化と関係しているためです。
 例えば、地球温暖化と共に世界各地で森林火災や海のサンゴの白化など生態系の悪化が加速し、森林などが失われればさらに温暖化も進む悪循環になります。また日本でも食卓におなじみの魚が獲れなくなっているように、生態系の変化は世界的な食糧や水の不足にもつながります。そして、新型コロナウイルスの原因は現在もはっきりしない面がありますが、SARSやエボラ出血熱など新たな感染症の大半は野生動物に由来していて、これも動物の生息地が失われるなどして人と動物の距離が近づいたことが背景にあるとされます。
 生態系の悪化で、既に世界の総生産の10%もの損失が出て32億人の暮らしに悪影響が及んでいるとされます。

◆こうした状況をどうすればいい?

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 UNEP(国連環境計画)などは、各国に緑化活動による森林の回復や、漁業で言えば漁獲量の適切な管理といった持続可能な食糧生産など幅広い対策を求めています。私たちの身近な所でも、なるべく地元で取れる旬のものを中心にした食生活にしたり、ごみを減らす、といったことも生態系保全につながります。
 環境デーを機に、あらためて私たち人間と環境は密接に関わっているという意識が広がっていくことが望まれます。

(土屋 敏之 解説委員)


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土屋 敏之  解説委員

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