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どうなる?日本学術会議

土屋 敏之  解説委員

◆明日21日から日本学術会議の総会が開かれる。注目される点は?

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 日本学術会議は、現在は国の機関として内閣府に属していますが、その設置形態について政府から検討を求められています。

 総会に向け学術会議の幹事会が公表した「素案」では、現行の国の機関であることを変更する積極的理由を見いだすのは困難だとしていますが、法人組織にすることを求めている自民党の作業チームからは検討が不十分だとの声もあり、総会でどんな報告がまとまるか注目されます。

◆この問題の背景は?

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 学術会議は科学者の代表機関として政府に勧告などが出来ると法律で定められ、会員は公務員の扱いになりますが、独立して職務を行うとも明記されています。
 こうしたことから会員は学術会議自体の推薦に基づき総理大臣が任命することになっていますが、去年、推薦されたうちの6人を菅総理が任命しませんでした。
 学術会議はその理由の説明とあらためて6人の任命を求めていますが、菅総理は会員が一部の大学に偏っているなど学術会議に問題があるとして改革を求め、議論が噛み合っていない状況があります。

◆今後なにが求められる?

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 多くの先進国に、学術会議と同様に国を代表する「アカデミー」と呼ばれる学術機関がありますが、基本的に政府から独立した組織です。ただ、実は独立はしていても財政面では国が支えていて、その上で会員の選考に国は口出しせず、学術会議と同様専門家自身に委ねられています。
 背景には、アカデミーには政治の意向から独立した科学的見地からの提言こそが求められているとの考えがあります。
 ですから、学術会議には、総会でその果たすべき役割や公務員であることの必要性も議論して情報発信することが求められます。
 一方で国には、専門家組織が時に政府の意向に沿わない提言をした場合どう受け止めるのかが問われますし、またそもそもの任命拒否問題についても国民の理解を得られる対応が求められています。

(土屋 敏之 解説委員)


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