韓国では首都ソウルの市長選挙の投票が先ほどから(7日午前6時から)始まりました。一年後に迫った大統領選挙の前哨戦として注目されています。出石 直(いでいし・ただし)解説委員です。
Q1、きょうのイラストは陸上競技のリレーですか?
A1、きょうのソウル市長選挙に勝利して次の大統領候補にバトンをつなぐことできるのか。
来年3月の大統領選挙の行方を大きく左右する注目の選挙です。
Q2、こちら野党の候補がリードしているようですね。
A2、事前の世論調査では、野党保守系の統一候補で元ソウル市長のオ・セフン氏が、ムン政権の閣僚だったパク・ヨンソン氏を大きく引き離して優位に立っています。政権与党が推すパク候補は強い向かい風を受けて苦しい戦いです。
Q3、強い向かい風ですか?
A3、今回の選挙は政権与党の前の市長が「セクハラ疑惑」で自殺したのを受けて行われました。与党にとってはマイナスからのスタートでした。さらに不動産価格が高騰を続けている中で土地住宅公社職員による「土地不正取得疑惑」が持ち上がりムン政権の支持率は過去最低にまで落ち込んでいます。野党候補の一本化が実現したこともパク氏には打撃となりました。
同じくきょう投票が行われている第2の都市プサンの市長選でも野党候補の優勢が伝えられています。ソウルとプサンで政権与党が2連敗すれば次期大統領選挙への影響は甚大だと思います。
Q4、具体的にはどんな影響が出てくるのでしょうか?
A4、大統領選挙には、政権与党からはキョンギ道知事のイ・ジェミョン氏と前首相のイ・ナギョン氏が名乗りを上げています。しかし与党2連敗となりますと、党の選挙対策委員長を務めているイ・ナギョン氏の責任を問う声が高まり、立候補断念に追い込まれるかも知れません。一方、政権奪還を目指す野党側はまだバトンを受ける候補は固まっていませんが、ムン大統領と対立して辞任した前の検事総長のユン・ソギョル氏の動向が鍵となってくるでしょう。
きょうの2つの市長選挙の結果次第では、次の大統領選挙の構図が大きく変わってきます。
今後の日韓関係や朝鮮半島情勢にも影響を与えるだけに結果が注目されるところです。
投票は今夜8時に締め切られ即日開票されます。
(出石 直 解説委員)
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