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聖火リレーきょう開始 コロナ対策は

小澤 正修  解説委員

開幕まであと4か月となった東京オリンピックの聖火リレーが25日に始まります。コロナ禍で行われる聖火リレーは、感染対策の徹底が大きな課題です。小澤正修解説委員です。

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Q1
延期された聖火リレーが始まりますね

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A1
聖火リレーは本来、平和・団結・友愛といったオリンピックの理想を伝えることが目的で、大会で競技の行われない場所の人たちも、世界とつながっていることを実感できるイベントだとされています。ただ、緊急事態宣言が解除されたとはいえ、変異ウイルスへの感染が国内で相次ぎ、一部の自治体がリレーの中止や規模の縮小に言及しているほか、各地でタレントをはじめとするランナーの辞退も続いています。聖火リレーが感染拡大につながるのではないかと不安を持つ人も多く、感染防止対策の徹底が求められています。

Q2
どんな対策がとられるのでしょうか?

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A2
組織委員会が作成したガイドラインでは主な対策として、ランナーには走る2週間前から、会食や密集する場所への外出を避けるよう要請しています。さらに沿道に人が集まり過ぎないよう、その日のランナーがどこを走るのかは、スタートの30分前まで非公開としています。ランナー自身がSNSなどで走る場所を明らかにすることも禁止されています。また、沿道の人たちにはマスクの着用や、大声ではなく拍手での応援を求めています。沿道が「密」の状態になって解消できないと判断した場合は、その場所をスキップして次に進むことを検討し、さらにスタッフなどに感染が確認された場合は、縮小や公道でのリレーの中止も、感染の規模などをもとに判断する方針です。組織委員会では、「なるべくインターネットのライブ中継を通してリレーを見てもらえれば」としています。

Q3
多くの人に見てもらいたいけど、人を積極的に集められないジレンマも

A3
本来は聖火リレーを目の当たりにしてもらうことで、大会への機運も高まりますが、今回は難しさもあると思います。組織委員会などはリレーの意義を伝えながらも、安全安心を最優先して冷静に状況を判断し、臨機応変に対応して欲しいと思います。

(小澤 正修 解説委員)


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