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東日本大震災10年 『防災教育と災害伝承の日』目指す

二宮 徹  解説委員

毎年3月11日を「防災教育と災害伝承の日」に制定しようという呼びかけについて、二宮解説委員とお伝えします。

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Q1・教壇から全国に呼び掛けていますね。
A1・津波防災や防災教育の専門家たちです。先月からSNSなどで個人や団体に賛同者を募っています。まもなく正式な組織を発足させ、来年の制定を目指して、政府に働きかける方針です。

Q2・なぜ「防災教育と災害伝承」なのでしょうか。
A2・この絵にあるように、東日本大震災では、岩手県釜石市で津波について学んできた児童・生徒が率先して避難したほか、過去の津波の言い伝えに基づいて、もともと高台に住んでいたり、早く避難したりした人たちが命を守りました。
こうした教育や伝承は、水害や土砂災害などの他の災害を含め、地域や学校、家庭で差があります。
このため、全国でもっと共有して、防災の取り組みを進めてもらうきっかけにしようというわけです。

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Q3・3月11日は、防災関連の日になっていないのですか。
Q3・政府が定めた防災関連の日では、関東大震災が起きた9月1日の「防災の日」が定着しています。
また、阪神・淡路大震災の1月17日は、翌年から「防災とボランティアの日」とされました。
一方で、東日本大震災をきっかけに「津波防災の日」が制定されたのですが、これは11月5日、江戸時代末期に安政の南海地震が起きた日なのです。この日は国連の「世界津波の日」にも採択され、今の和歌山県で稲の束に火をつけて村人を避難させた逸話にちなんでいます。

Q4・そこで、きょう3月11日を何かしらの防災関連の日にしようというのですね。
A4・どんな名前にするか、何を強調するかなどは、別の意見もあるかも知れませんが、この日は、亡くなった人たちを悼むとともに、地域や家庭の備えを見直す日になってほしいと思います。

(二宮 徹 解説委員)

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