NHK 解説委員室

これまでの解説記事

2050年脱炭素社会への道筋は

土屋 敏之  解説委員

◆政府は2日、地球温暖化対策推進法の改正案を閣議決定。「2050年脱炭素社会の実現」を基本理念として明記した

C210309_1.jpg

この改正案では、具体的にはまず全国の自治体に対し、温暖化対策の目標を設定したり、再生可能エネルギーの導入などを進める「促進区域」を定めるよう求めています。

こうしたエリアでは、再エネ施設を建設する際の環境への影響を調べる、いわゆる環境アセスメントを一部簡素化するなど、企業がより参入しやすくなるようにしますが、大規模な太陽光や風力発電施設をめぐって地域の環境や景観が悪くなるとのトラブルもある中、具体的な制度作りが問われることになります。

◆企業の活動にも関わる改正

C210309_2.jpg

この他にも、企業からの温室効果ガス排出量の報告をデジタル化して迅速に公表する仕組みを作り、排出削減を後押しすると共に環境投資を呼び込もうとしています。
去年10月に菅総理が「2050年に脱炭素社会を目指す」と表明しましたが、これまでは法的な根拠は無く、これを法律に基本理念として明記することで、投資を呼び込んだり、国際社会に日本の姿勢をアピールする意味もあるとされます。

◆今後、2050年脱炭素社会への取り組みは?

C210309_4.jpg

政府は昨年末に「グリーン成長戦略」をまとめ、2030年代半ばに乗用車の新車をハイブリッド車を含む「電動車」にする目標など14分野の実行計画を打ち出しました。
ただ、世界的に見ると、ヨーロッパでは自動車メーカーが相次いでハイブリッドも含まない電気自動車だけにすると発表するなど、日本の新たな政策をも超えるペースで急激な変化が起きつつあります。
福島第一原発の事故から10年。日本は今後のエネルギーをどうするか?などの見直しを進めていますが、国際的な産業構造転換の主導権争いにも遅れをとることなく温暖化対策を加速できるのかが注目されます。

(土屋 敏之 解説委員)


この委員の記事一覧はこちら

土屋 敏之  解説委員

こちらもオススメ!