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アメリカ市場株高の天敵は

神子田 章博  解説委員

先週大幅に値下がりしたアメリカの株価。その後も不安定な動きが続いています。こちらのカエルは?

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A 「株カエル」君です。アメリカではコロナ禍からの景気回復への期待から株価が上がってきたんですが、経済が良くなると金利も上昇していきますよね。

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先週アメリカではこうした思惑から、金利が急激に上昇したんですが、それを受けて株価の上昇が鈍りました。金利の急上昇は、株価の天敵、カエルにとっての蛇のようなものなんです。

Q 「蛇ににらまれたカエル」ってよくいいますが、なぜ金利があがると、株価にはマイナスに作用するんですか?

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A 金利があがると、リスクの高い株を買うよりもお金を貸して利子をもらって安定した利益を得ようという動きがでてきます。さらに金利の上昇は、景気が過熱してインフレを招き、経済の悪化につながるおそれがあるので株を売ろうという投資家もでてきます。とりわけ、これまでの株式市場の動きは、大規模な金融緩和政策で巨額な資金が市場に流れ込んで、それが株価を押し上げた面があり、経済の実力とはかけ離れているという見方も出ています。日本の株式市場でも同じようなことが起きているという指摘もあります。

Q 日本の株価にも影響がありそうですが、今後何に注目したらよいでしょう?

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A 実体経済が力強く回復し、飲食などサービス産業も含めて企業の業績がよくなり、金融緩和のおかげではなく実力で株価があがるようになるかどうかです。過去の景気回復局面でも、金利が先行して上昇することはありましたが、景気が力強く回復していけば、金利の上昇を乗り越えて株価が上がり続けるということがありました。アメリカでは、今月5日に経済がどの程度回復したかを示す先月の雇用統計が発表されます。この数字良いに越したことはないのですが、あまりに経済が強いということになると、景気過熱への懸念から金利の急上昇を招き、株価の値下がりを招くことも考えられます。今後も実体経済を示す統計と金利の動きに目が離せない状況が続きそうです。

(神子田 章博 解説委員)


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神子田 章博  解説委員

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