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河井案里議員に有罪判決 今後は

山形 晶  解説委員

河井案里参議院議員が、おととしの選挙をめぐり公職選挙法違反の買収の罪に問われた裁判で、執行猶予のついた有罪判決が言い渡されました。
判決では、夫の河井克行元法務大臣の関与も認定されました。

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Q:判決が注目されていましたが、有罪でした。
A:はい。これによって河井夫妻の議員としての地位が危うくなった形です。
案里議員は最高裁まで争うことができますが、有罪が確定すれば当選が無効になります。
そして、もう1つ、案里議員にとっては暗雲が垂れ込めている状況です。
検察が、「連座制」を適用して当選を無効とするよう求める裁判を起こしているんです。
「連座制」は、陣営で重要な立場にあった人物が有罪になれば、議員の当選が無効になるという制度です。
案里議員の秘書は、運動員を買収した罪ですでに有罪が確定しています。
検察は、秘書は連座制の対象だと主張していて、認められれば、当選が無効になります。

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Q:一方で夫の河井元大臣には、今回の有罪判決は影響があるのでしょうか?
A:はい。裁判は別に行われていて、時間がかかる見通しですが、今回の判決が影響する可能性があります。
というのも、判決の中で、地元の議員たちに現金を渡した行為は、河井元大臣と案里議員が「共謀」、つまり2人の意思で行ったと認定されたんです。

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Q:河井元大臣も有罪になるのでしょうか?
A:まさにそこがポイントです。裁判は、それぞれの法廷に出された証拠をもとに判断するので、同じ事件であっても、別々に審理されれば、違う結論になることもあり得ます。
ただ、今回は、もともとは一緒に審理されていて、裁判官は同じです。
案里議員の裁判で証言した人たちが、元大臣の裁判でも証人になるなど証拠の一部は共通です。
買収の背景にあるとされる、選挙が「激戦区」だったという事情も同じです。
河井元大臣が、今後、検察の主張にどう反論するのかという点に注目したいと思います。

(山形 晶 解説委員)


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山形 晶  解説委員

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