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「改善に向かうのか?"最悪"の日韓関係」(ここに注目!)

出石 直  解説委員

韓国の超党派の国会議員でつくる韓日議員連盟の一行が、きょう(12日)来日します。
戦後最悪とも言われる日韓関係の改善につながるのか出石 直(いでいし・ただし)解説委員です。

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Q1、日本と韓国を隔てる海に、たくさんの高い波が立っていますね。

A1、今の日韓関係はまさにこんな状態です。戦後最悪というのは少し大袈裟にしても、極めて悪い状態であることは間違いありません。新型コロナの影響で人の往来もめっきり減りました。
そんな荒波の中での議員団の来日となります。

Q2、今回の訪問が日韓関係の改善につながっていくのでしょうか?

A2、今回は議連の会長交代に伴う日本側の国会議員との顔合わせという意味合いですが、実は韓国の情報機関のトップもきのう(11日)まで日本を訪れていて菅総理大臣とも会談しています。
このように政界レベルでの交流が活発になってきています。さらにアメリカ大統領選挙でバイデン氏が勝利を確実にしたことも、日韓関係には追い風になるかも知れません。

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Q3、アメリカの大統領選挙が追い風ですか?

A3、日韓関係にはあまり関心を払わなかったトランプ大統領とは異なり、バイデン氏はアメリカとその同盟国である日本、そして韓国との連携を重視する立場です。韓国政府も、菅政権の発足をきっかけにムードを変えたいと考えているようです。

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年内に日中韓サミットを韓国で開催し、これに合わせて菅総理大臣との首脳会談を実現したいとしています。日韓関係を改善するためには徴用をめぐる問題の前進が不可欠ですので、韓国政府の対応が注目されるところです。

Q4、年内に首脳会談となると、もうそんなに日にちは残されていませんよね。

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A4、はい。しかも新たな不安材料も出てきています。福島第一原発の処理水をめぐる問題です。韓国国内での反発が強まっています。この問題は、科学的な根拠に基づいて冷静な議論をして欲しいところですが、処理水の海洋放出が決まれば韓国国内の世論がまた悪化する恐れがあります。荒波が収まるまでにはまだ時間がかかりそうですが、今回の議員団の日本訪問が関係修復のひとつのきっかけになればと思います。

(出石 直 解説委員)

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