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「いつ決まる?混迷の米大統領選挙」(ここに注目!)

出石 直  解説委員

いよいよあす(3日)に迫ったアメリカ大統領選挙、トランプ大統領とバイデン前副大統領の争いは、開票が進んでもなかなか決着がつかず選挙結果をめぐる混乱が続く可能性が指摘されています。出石 直(いでいし・ただし)解説委員です。

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Q1、両候補が投票用紙の取り合いですか?

A1、もしかしたらこんな光景が繰り広げられるかも知れません。アメリカの大統領選挙は、<投票総数ではなく>州を代表して投票する選挙人の数で決まります。

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例えばこちらフロリダ州、今回もっとも注目されている激戦州のひとつですが、ここには29人の選挙人が割り当てられています。
ここで一票でも多く得票した方が29人の選挙人すべてを獲得できるのです。

Q2、一票の違いが勝敗を大きく分けることになるのですね。

A2、その通りです。今から20年前、2000年に行われたブッシュ候補とゴア候補による選挙では、このフロリダ州で大混乱が起きました。ゴア陣営が票の再集計を要求し手作業による数え直しが行われたのです。私はこの時、現地で取材していたのですが、集められた投票用紙を一枚一枚手にとって<どちらに入れた票なのか>確認する作業が延々と続けられました。

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Q3、この時は、結果が出るまでどれくらいかかったのですか?

A3、連邦最高裁がゴア陣営の訴えを退け、ゴア候補が敗北を認めたのは投票日から一か月以上も経ってからでした。今回は<コロナの影響で>郵便による投票が大幅に増えていますから、この時以上の混乱が起きるかも知れません。州によっては投票日が過ぎてから到着したものも有効としているところもありますので、開票作業が大幅に遅れる可能性があるのです。

Q4、その郵便投票にはトランプ大統領は懐疑的ですよね。

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A4、「郵便投票は不正の温床だ」と批判しています。このため郵便投票の開票が終わらないうちに、トランプ大統領が一方的に“勝利宣言”をしてしまう可能性も指摘されています。選挙では激しく争っても、最後は敗者が潔く敗北を認めて勝者を祝福するというのがアメリカの良き伝統でした。この伝統が守られるのかどうかにも注目したいと思います。

(出石 直 解説委員)

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