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「最終テレビ決戦 トランプvs.バイデン」(ここに注目!)

髙橋 祐介  解説委員

アメリカ大統領選挙に向けて、トランプ大統領と民主党のバイデン候補による最後の直接対決となるテレビ討論会が、まもなく(日本時間23日午前10時から)南部テネシー州ナッシュビルを会場に開かれます。髙橋解説委員とお伝えします。

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Q1)
けさのイラスト、このマークはマイクの音声を切るということですね?
A1)
互いに相手の話を遮って罵り合い“史上最低の討論”とも評された前回の応酬をくり返さないため、今回は新しいルールが設けられました。両候補は、新型コロナウイルスや人種問題など、6つのテーマが変わるごとに、冒頭2分間ずつ、交互に相手のマイクロフォンの音声を“ミュート”にし、それぞれ司会者からの質問に答える時間が与えられます。そこで注目するのは、いわば“聞かれたくない質問”が出た場合、バイデン候補がどのように答えるかです。

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Q2)
バイデン候補には“聞かれたくない質問”があるのですね?
A2)
その通り。ところが、これまではトランプ大統領が率直に言って一方的にしゃべりすぎ。逆にバイデン候補は、アドリブで答えに窮する場面がほとんどなかったからです。とりわけバイデン候補が副大統領だった当時、次男のハンター・バイデン氏が外国企業から高額の報酬を受けて、父親との仲介をしたとされる癒着疑惑について、もし司会者が取り上げなければ、トランプ大統領が必ず追及するでしょう。これまでバイデン候補は、この疑惑を打ち消すだけで経緯をまったく説明していません。そこにトランプ陣営は、土壇場でいまの劣勢をばん回するチャンスを見出そうとするでしょう。

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Q3)
でも、トランプ大統領にも“聞かれたくない質問”はあるのですよね?
A3)
トランプ大統領に対して、いま多くのアメリカ国民が聞きたいのは、各地から伝えられる投票妨害や嫌がらせなどの軋轢をどう抑えるか?そして選挙でどちらが勝っても“結果を受け入れるかどうか”です。「郵便投票で不正が行われている」と主張するトランプ大統領。このままでは選挙後の混乱を心配する声も絶えません。選挙戦は実質的に残り10日間。バイデン候補が逃げ切るか?それともトランプ大統領が逆転へのきっかけをつかむのか?きょうの最終決戦は、情勢の流れを大きく変える“最後の機会”になるかも知れません。

(髙橋 祐介 解説委員)

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