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「尖閣の字名に『尖閣』」(ここに注目!)

田中 泰臣  解説委員

沖縄県石垣市にある尖閣諸島の字名にきょうから「尖閣」が加わりました。

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Q)これまで尖閣諸島だけど「尖閣」という字名ではなかったということですか?

A)「石垣市登野城」という字名だったのですが、石垣島にも同じ字名があり、事務手続き上紛らわしいので「尖閣」を加えたというのが市の説明です。ただもう1つ、周辺で領海侵入を繰り返し、漁船を追尾するといった中国当局の船による活動の活発化が背景にあります。議会で賛成した市議の1人は「この問題に少しでも関心を持ってもらうのが目的だ」と話しています。市議会では先月、安全に漁業ができるよう島への上陸調査を行うという決議も可決されました。実際中国の船に追尾されたという漁業者は「接触しそうなぐらい接近され危険を感じた」と取材に答えていて、地元でフラストレーションが溜まっているのを感じます。

Q)それだけ中国の活動が激しくなっているのですか?

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A)長期間の活動と漁船の追尾が目立っています。8月初めまで過去最長の111日間連続で領海のすぐ外側の接続水域内を航行し、その間領海侵入を繰り返しました。海上保安庁は中国の船が年々大型化し、悪天候に対し強くなっているのを要因の1つにあげています。また漁船の追尾は、去年は1年間で1回でしたが、ことしはすでに3回確認されています。

Q)日本政府の対応は?

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A)菅総理大臣は先週行われた習近平国家主席との初めての電話会談で、この問題を念頭に懸念を伝えました。政府は領海侵入されれば退去するよう警告し、漁船が追尾されれば、巡視船が間に入って守るという対処を堅持していく方針です。一方、自民党内では新たな対応を求める動きも出てきています。国防関係の議員連盟は、先週、現地調査や灯台の設置を求める提言をし、別の議員連盟も海底資源の調査などを求める活動をしています。
ただ政府は緊張を高めるのは望ましくないという立場で対応すると思います。
政府には警備体制の強化に加え、南シナ海での中国の海洋進出に批判が高まっているこの機をとらえ、この問題について国際社会を味方につける外交努力を重ねることが重要ではないでしょうか。     

(田中 泰臣 解説委員)                       

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