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コロナで混迷 大学入試スタート

二宮 徹  解説委員

大学入試のうち、これまでのAO入試にあたる「総合型選抜」の出願がきのう15日から始まり、今年度の大学入試がスタートしました。教育担当の二宮徹解説委員。

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Q1)生徒がパソコンの前に座っていますね。

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A)オンライン面接です。総合型選抜は面接や論文で評価する入試で、感染防止のため、面接をオンラインで行う大学が相次いでいます。大学も受験生も初めてなので戸惑いが見られます。
しかも、「冬の感染状況が心配」「早く安心したい」という受験生の不安もあって、11月からの学校推薦型と合わせ、安全志向の受験生が増えそうなのです。
 
Q2)大学受験にもコロナの影響が出ているのですね。

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A)春以降、部活動の大会や資格試験の多くが中止や延期になりました。このため、総合型選抜の受験生は、実績や能力をどうアピールするかでも困っています。
それに、大学選びにも影響がありそうです。
夏休み明けから通常の授業を再開する大学が増えているのですが、都市部や大規模な大学を中心に、今もオンラインでの授業が多く、一度もキャンパスに行ったことがない1年生もいるほどです。
このため、受験生は「合格してもキャンパスに通えないかも」、「友達づくりも難しそう」という不安が消えません。それに保護者も一人暮らしでの感染の心配や経済面での先行き不安などがあり、地元の大学を選ぶ地元志向が高まるとも予想されています。

Q3)去年までとはいろいろと状況が違うのですね。

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A)そもそも、これまでのセンター試験に代わる、初めての大学入学共通テストが控えています。今回は2回の日程から選べて、感染した人への特例の追試も用意されています。
まずは、すべての試験会場で万全な感染防止が求められます。
不安の多い大学入試、文部科学省や大学には、受験生の立場に立った丁寧な対応をしてほしいと思います。

(二宮 徹 解説委員)


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