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自民党総裁選挙 注目は『勝ち方』『2位』『後任』

田中 泰臣  解説委員

安倍総理大臣の後任を選ぶ自民党総裁選挙は、きょう投開票が行われます。

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Q)菅さんが選出されるのが確実な情勢となっていますが、きょうの投開票、どのような点に注目しますか?

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A)1つは菅さんの「勝ち方」、特に地方票でどこまで支持を広げられるかです。今回、全国一斉の党員投票を行うべきという声が強くあり、多くの地域で予備選挙が行われました。それだけに5つの派閥の支持を受けて終始優勢とされてきた国会議員票だけでなく、地方票でも過半数71票以上を獲得したことが明らかになれば、新政権のスタートにあたって追い風になると思います。

Q)石破さん・岸田さんについてはどうでしょうか?

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A)今回の総裁の任期は来年9月までで1年後には再び総裁選挙が行われるので次につなげるためにも、どちらも2位は確保したいところです。そのためには、自身が率いる派閥以外への支持の広がりと地方票の獲得が必要になります。特に地方票については、来年の総裁選挙では、党員投票が行われ、今回より比重が大きくなる予定なので、いわば次への「挑戦権」を得るためにも重要になります。

Q)新総裁が決まった後の焦点は?

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A)どのような布陣で臨むか、人事です。菅さんの陣営幹部の1人は、「円滑に政権運営を進めるには派閥への配慮もある程度必要ではないか」と話していまして、菅さんが派閥のバランスを重視するのかどうか、若手の登用などで独自色を打ち出すのかどうかが焦点です。中でも注目は党の要の幹事長と内閣の要の官房長官です。今回、いち早く支持を打ち出し、菅さん優勢の「流れ」を作ったとも言われる二階幹事長を続投させるのかどうか。それならば、こちらは後任を決めなければならない官房長官を誰にするのか。スポークスマンであり、政策の最終的な調整役でもある官房長官が政権にとっていかに重要かは、菅さん自身が一番よく知っているはずです。誰を据えるかで、どのような政権にしていこうとしているのか見えてくると思います。

(田中 泰臣 解説委員)


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田中 泰臣  解説委員

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