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副業時間 事前申告ルール スタート

竹田 忠  解説委員

希望者が増えている副業について、
厚生労働省は、働く人が、副業する時間を
あらかじめ勤め先に申告しておくという
新たなガイドラインをきょう(9月1日)からスタートさせます。
担当は竹田忠解説委員です。

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Q①この絵を見ると、副業促進も、働き方改革の一つなんですか?


そうなんです。安倍政権はまもなく終わることになりましたが、
大きな仕事の一つが、働き方改革だったわけです。
特に大きいのは、もうこれ以上絶対に働かせてはいけない、という
残業の上限規制を初めて作ったことです。
そしてその上限規制が、この副業の新たなルールにも大きく関係してるんです。

Q②それはどういうことでしょう?

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まず、本業と副業、その両方で雇用されている人の場合は、
労働時間を合算しないといけない。
そして、それが、残業の上限規制の範囲に収まってないといけません。
たとえば、働いている人が、本業の会社で通常、
月に30時間残業しているとします。
一方、残業の上限規制は、平均で月80時間までなので、残りは50時間。
なので、副業できるのは50時間まで、となるわけです。
こうした時間配分をあらかじめ、本人が、本業の会社と相談して決めて、
副業先にも伝えて、守ってもらおうと。

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そして実際に働いた時間は、後から自己申告すればいいという内容なんです。
(副業した時間を本業の会社に、本業で残業した時間を副業先に、
それぞれ自己申告する。双方の会社は最初の時間配分を守っている限り、
自己申告に申告もれや、虚偽があっても、責任は問われないという仕組み。)

Q③でも自己申告だと、ちゃんと報告されずに、
働きすぎになってしまう、というおそれはないんでしょうか?

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おっしゃる通り、そこが大きな問題なんです。
というのも、たとえば、この場合、
副業で働く50時間は、すべて残業というあつかいになって、
副業先は最低でも25%の割増賃金を払わないといけない。
働く人にとっては本来は収入があがる話しですが、
高い賃金になると雇ってもらえない、というおそれから
ダブルワークについての申告を正直にしない人が
でるのでは?ということが懸念されている。
チャンと働いた人がチャンと賃金をもらえるように、
厚生労働省として、企業に周知徹底をしたり、
職場でよく話し合ったりしてもらうことが重要だと思います。

(竹田 忠 解説委員)

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