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「コロナで特例! 休業者に『直接』給付」(ここに注目!)

竹田 忠  解説委員

政府は、休業している労働者に、直接、手当を支給する、
新たな給付金制度を設ける準備を急いでいます。
竹田忠解説委員に聞きます。

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Q①休業手当の傘がなくて、濡れてしまっている人がいますが?


そうなんです。この休業手当が出ない、ということが
今、大きな問題になっているんです。
そもそも会社が自分の都合で休業する場合は、
社員に休業手当を出さないといけない。
また、休業手当がチャンと出るように、
雇用保険から雇用調整助成金が出て、一定割合を負担してくれる。
しかし、それでも休業手当を受け取れない人がいて、
これでは生活できない、という悲痛な訴えが
労働組合などに多数寄せられているわけです。

Q②なぜ、そんなことが起きるんですか?


そもそもこの助成金、すぐには出ません。
会社がまず先に、休業手当を出す。
そうすれば後から助成金がその会社に払われる、という仕組みなんです。
なので、最初に休業手当を出す時に、
いわば立て替えるお金のない会社は制度が利用しにくい。
結局、手当がもらえない人が出てくる。

Q③でも、先ほど説明があったように、
この助成金というのは、雇用保険から出てるんですよね?
雇用保険の保険料は、みんな、こういう時のために払ってるわけで、
チャンと労働者のために使ってほしいんですけど?

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おっしゃる通り!そこで今回は、企業を通さず、社員に直接、手当を出そうと。
実はこれ、過去にも例があって、
東日本大震災の時に、休業中だった人を失業したとみなして、
失業手当を緊急に支給する「みなし失業」という仕組みが
雇用保険の特例措置として適用されたんです。
今回は、この仕組みを参考にして、新たな給付金を作ろうというわけです。

Q④その給付金、どうすればもらえるんですか?

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まずは、あくまで企業が休業手当を払う、というのが基本です。
しかし、その休業手当がもらえない労働者は、
直接、ハローワークに行って申請をすれば、
早ければ1週間で、給料の8割程度を受け取れるようにしよう、
というのが全体のイメージです。
今、詳細を詰めていますが、法案などがこの国会で早く通れば
来月中にも支給開始できるかもしれない。
とにかく今、大勢の困っている人が待ってますから、
準備を急いでほしいと思います。

(竹田 忠 解説委員)

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