政府はきょう、新型コロナウイルスの感染拡大で、
第2弾の緊急対応策をとりまとめます。
大きな焦点は、雇われずに個人で働くフリーランスへの支援策です。
担当は竹田忠(たけだ・ただし)解説委員です。
Q この絵を見ると、フリーランスの人たちだけ、傘を持っていませんが?
A
そうなんです。まず政府は今、学校の一斉休校や、イベントの自粛を要請しています。
そうすると仕事を休まざるを得ない人が出てくる。
その人たちの所得を補償しようと、
いろんな助成金を使って支援策を打ち出しているんですが、
これまでの発表では、フリーランスの人は対象に入ってない。
Q なぜ、対象ではないんですか?
A
こうした仕組みは、基本的に雇用されている人、
雇われて働いている人を前提にしているためです。
というのも、雇われている人は
日頃からこういう時のために雇用保険の保険料を払っている。
休業補償や所得補償の主な財源は、この雇用保険から出るお金なんです。
また、休業を補償するためには、
いつ、どれだけ休んだのか、特定する必要がありますが、
雇われている人は、こうした勤務実態がわかりやすい。
ところが、フリーランスの人たちは、個人事業主とも呼ばれるように
あくまで、一人で、仕事を請け負って働いているので、
労使双方が負担をする雇用保険のような仕組みはそもそもないし、
仕事の実態も外からは把握しにくい。
なので、政府は、今回、フリーランスの人に対しては、
所得補償ではなくて、融資をする、ということを中心に考えているんです。
Q でも、融資ということは、返さないといけませんよね。
この絵でいけば、この傘はいわばレンタルですよね?
返すと、また、濡れてしまいませんか?
A
その通りだと思います。
こういった融資で難しいのは
この人が今後、低所得になって返せなくなったら、どこまで返済の猶予を認めるのか、
そういったことも課題になると思います。
しかし、何よりも今回政府がフリーランスを支援すべき理由が、別にあるんです!
Q どういうことでしょう?
A
実は、政府は、多様な働き方としてフリーランスを後押ししているんです。
たとえば去年暮れにまとまった成長戦略の中間報告では。
「フリーランスは会社員より満足度が高い」
「フリーランスの環境をもっと整えるべき」ということまで明確に言っている。
ここまで持ち上げるのであれば、
まさにそのフリーランスという働き方を支える制度を
もっと検討すべきではないかと思います。
(竹田 忠 解説委員)
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