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「米大統領選 絶体絶命!?バイデン氏」(ここに注目!)

髙橋 祐介  解説委員

アメリカ大統領選挙に向けた民主党の候補者選びは、あす(29日)第4戦となる南部サウスカロライナ州の予備選挙が行われます。髙橋解説委員です。

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Q1)
けさのイラストは、バイデン前副大統領が破れた気球で漂流中?
A1)
当初は“本命”と目されながら、これまで全く良いところがなかったバイデン氏。上昇気流に乗ったサンダース上院議員に追いつくためにも、今回は“負けられない戦い”です。ここで再び不覚をとれば、巻き返しどころか、指名争いからの撤退を余儀なくされるかも知れません。

Q2)
バイデン氏は今度こそ勝てるでしょうか?
A2)
南部サウスカロライナ州で勝敗の鍵を握るのは、黒人有権者の動向です。州内の民主党支持層のおよそ60%を黒人が占めているからです。このためバイデン氏は、黒人有権者に今なお根強い人気があるオバマ前大統領を8年間、副大統領として支えた実績をアピールすることで、勝機を見出したいとしています。地元選出で民主党の下院ナンバースリーの実力者、クライバーン院内幹事からも支持を取り付けて、ここから急浮上を狙います。
ただ、サウスカロライナにぴたり張り付いて、資金も人員も集中する選挙戦略は、かえって裏目に出るリスクもあるのです。

Q3)
どうしてですか?
A3)
ほかの候補たちは、この3日後に迫った序盤戦の最大のヤマ場、14の州で予備選挙が一斉に行われる「スーパーチューズデー」に照準を絞っているからです。左派のサンダース氏は、有権者が全米で最も多い民主党の地盤、西部カリフォルニア州でリードを広げ、一気に独走態勢を狙います。バイデン氏と同じ中道派から途中参戦してくる大富豪、ブルームバーグ前ニューヨーク市長も資金力にモノを言わせて大がかりな空中戦を展開し、今やテレビ広告でこの人の姿を見ない日はないと言っても過言ではありません。
“絶体絶命”のバイデン氏は勢いを取り戻し、はっきりカタを付けるのか?サウスカロライナの予備選挙は、まさに生き残りをかけた戦いになりそうです。

(髙橋 祐介 解説委員)

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