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「新型肺炎 長引く操業停止の余波」(ここに注目!)

神子田 章博  解説委員

中国では新型コロナウィルスによる感染防止のために停止されていた企業活動がきょうから再開されることになっています。

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Q 中国での企業の活動停止ずいぶん長引いていますね?
A 中国では先月30日まで日本のお正月にあたる春節の連休があったのですが、上海などの主要都市や広東省など多くの地域では、新型コロナウィルスによる感染の拡大を防ぐために、連休を大幅に延長し、工場などの操業再開をきょうまで延期する動きが広がりました。実は日本のトヨタ自動車などもきょうから現地の工場の操業を再開する予定でしたが、今月17日以降に再延期するところがでてきています。

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Q 再延期、なぜでしょうか?
A 感染の拡大が続いているからです。また企業が活動を再開しようとしても、長距離バスなどの交通機関が止められているなかで従業員が戻ってこられるかどうかわからないうえ、地域によっては、里帰りから戻ってきた従業員をしばらく自宅待機にさせるよう規制されているケースもあり、本格的な活動再開ができないおそれもあります。工場の操業停止が長期化することで、中国国内の生産が大きく落ち込むことが懸念されています。

Q 中国と関係の深い日本経済も巻き込まれそうですが、その影響どのくらい大きなものになりそうですか?
A それは感染の拡大がいつまで続くのかによりますので、いまの段階では見通しがつきません。ただ日本の自動車メーカーの中には、中国から部品を調達しているところもあります。中国での生産が滞れば日本での車の生産にも支障をきたすことになるため、別の調達先を探さなければならないというケースも考えられます。

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さらに中国では、感染を恐れて家に閉じこもる人が増えており、街中の消費の落ち込みも懸念され、そうなれば日本からの輸出も減るおそれもでてきます。日本ではすでに中国人観光客の減少で、ホテルや百貨店などが大きな打撃を受けていますが、今後も感染の拡大に歯止めがかからならければ、生産から輸出に至るまで影響がさらに広がるおそれもあります。

(神子田 章博 解説委員)

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