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「新型肺炎 『重要な局面』に」(ここに注目!)

堀家 春野  解説委員

中国で感染が拡大する中、日本国内でもさらに感染が広がるのか。

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Q)5日現在、国内でも35人の感染が確認されています。
A)新たにクルーズ船の乗客への感染が明らかになっています。政府は水際対策を強化するとともに、感染者と接触した人などの経過を観察してこれ以上感染が広がるのを防ぐ方針です。これまで確認されているのは中国・湖北省武漢に滞在歴がある人やクルーズ船の乗客など、どこで感染したのかがある程度推定できる人たちです。いま、懸念されているのはこれまでと違い、どこで感染したのかわからないといったケースが相次ぎ、街中で感染が広がる“市中感染”が起きることです。そうした状況になるのかならないのか、いまが重要な局面だという指摘もあるんです。

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Q)重要な局面ですか。
A)はい。中国では2週間前(1月23日)に武漢が封鎖され、その後、団体旅行も当面中止されました。その前に、日本に来ていた旅行者から仮に感染していたら、潜伏期間を考えると症状が出るころだというのです。そして今回の新型コロナウイルス、中国の保健当局は「症状がない人や軽い人も一定程度感染を周囲に広げることがある」としています。気づかないうちに感染し、広がっていく状況も想定した備えが必要になってきます。

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Q)どのような備えが必要なのでしょうか。
A)水際対策に加え、国内対策にも力を入れることです。まずは医療体制の整備です。いま患者は指定された医療機関で受け入れることになっていますが、それだけで受け入れられなくなったときにどの医療機関で受け入れるのか、軽症の人は自宅で待機してもらうのか、準備しておかなければなりません。そして持病がある人や高齢者が重症化しやすいと考えられています。そうした人たちを感染から守らなければなりません。介護施設の中には体調がすぐれない職員には休みを取らせたり、状況に応じて面会を断ったりして、警戒レベルを一段上げているところもあります。感染を広げないため先を見越した対策が必要です。

(堀家 春野 解説委員)

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