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「新型ウイルス肺炎 海外の感染症にどう備える」(ここに注目!)

中村 幸司  解説委員

新型ウイルス肺炎の患者が、中国では急激に広がっています。また、2020年1月28日、日本でも相次いで確認されました。

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Q:こうした状況の中で、日本は、どのように感染対策を進めることが必要でしょうか?

A:日本でも、海外から感染症が入ってきて、多くの患者が出るということは、想定しておく必要があります。

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国内の患者が増えると、医療が対応できるレベルを超えてしまう恐れがあります。そうなると、十分な医療が提供できず、社会的な混乱も懸念されます。
感染症対策には、大きく2つの考え方があります。
▽ひとつは、患者が増えるのを、なるべく「遅らせて」、対策を進める時間的余裕を作る、
▽もうひとつは、感染が広がっても、患者の数の「ピークを低くして」、対応できるレベルに抑えるという考え方です。

Q:そのために、どういった対策がとられているのですしょうか?

A:すでに、実施していることとしては、一つは「水際対策」がそれにあたります。
空港や港で、体調に異常がある人を見つけるということも、日本に入るのを遅らせる、ピークを低くすることにつながります。

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また、中国からの航空便やクルーズ船で、乗客に配っている「健康カード」も、そうです。日本に入国した後、発熱やせきなど体調を崩したとき、どこに連絡したらいいのか、わかるようになっています。周囲に感染を広げないよう適切な方法で受診してもらおうというものです。

Q:新型ウイルス肺炎が、指定感染症と検疫感染症に指定されましたね。

A:はい。患者の入院や医師からの届け出、患者の周囲の人への調査などが法律に基づいて、徹底できます。患者本人の治療とともに、感染拡大を最小限に抑える措置がとられるので、ピークを遅らせ、低くできます。

Q:今後どういったことが必要になりますか?

A:指定感染症になると、新型ウイルス肺炎の患者を診るのは、全国、およそ400の専門的な医療機関になります。患者がこうした病院に集中して混乱しないか、つまり対応可能レベルが下がらないか懸念する声も聞かれます。

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そうならないよう、日常の医療は周りの病院が負担・協力するなど医療機関の支援も必要になると思います。

(中村 幸司 解説委員)

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