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「最後のセンター試験、今年の大学入試に影響は」(ここに注目!)

西川 龍一  解説委員

今年で最後となる大学入試センター試験があすから行われます。

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Q1.最終のセンター試験号、乗っている受験生に影響がありますか?

A1.キーワードは安全志向です。センター試験は来年から大学入学共通テストに変わります。大学入試の制度が大きく変わるとされてきましたので、今の制度のうちに入学先を決めたいという意識が受験生の中に広がるのは、ある意味当然のことです。去年の大学入試でも同じ傾向が見られましたが、大手予備校によりますとセンター試験最後の今年は、さらにそうした意識に拍車がかかっているということです。難易度を落として行きたい大学より行ける大学を選ぶ傾向が強まり、模擬試験などの結果を分析するといわゆる難関大学は志願者が減る傾向で、中堅クラスの大学の志願者が増えているということです。

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Q2.でも結局、その制度、あまり変わらないことになったのではないのですか?

A2.確かに大学入学共通テストの2本の柱とされてきた英語の民間検定試験の利用と国語数学の記述式問題の導入は見送られることになりました。しかし、それが決まったのは去年の11月以降です。推薦入試は始まっている状況でしたし、高校の進路指導も受験生たち自身の準備もすでに転換するのは難しい時期でした。多くの問題点が指摘され続けていたにも関わらず、文部科学省の決断が遅れたことが受験生の進路選びに大きな影響を与えた形です。

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Q3.今、受験生にアドバイスできるとしたらどんなことでしょうか?

A3.制度が変わることへの不安がある一方で、今年のセンター試験の志願者は、55万7千人あまりと去年より2万人近く減りました。特に現役の高校生の志願者が1万3千人近く減り、今後18歳人口の減少で数の上では競争率が下がっていく傾向が続きます。行きたいところを見極め、今の自分の選択で後悔することがないかを考えて最終的な受験先を決める必要があると思います。そのための第1関門が、センター試験です。受験生は実力を十分発揮できるよう、きょうはできるだけ身体を休めて本番に備えて欲しいと思います。

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(西川 龍一 解説委員)


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