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「日韓輸出管理 『政策対話』再開へ」(ここに注目!)

神子田 章博  解説委員

輸出管理をめぐる日韓両政府の局長級の政策対話が、きょう三年半ぶりに東京で開かれることになりました。

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Q.このイラストはオルゴールを修理しているんですか?
A.悪化する日韓関係を壊れたオルゴールに例えてみました。日本は今年7月以降、半導体などの原材料の韓国向けの輸出管理を厳しくしたほか、輸出が簡単になる優遇措置の対象から韓国を除外しました。韓国はこれに激しく反発し、日本との間で安全保障上の機密情報を共有する協定=GSOMIAを破棄する姿勢を打ちだすなど、両国の関係が大きく悪化した経緯があります。

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Q.そうしたなかで今回なぜ政策対話が開かれることになったのですか?
A.この政策対話は、先月韓国がGSOMIAの破棄を見送ることを表明した際に、実施が決まりました。韓国側は破棄を見送ったといってもあくまで暫定的なもので、最終的にGSOMIAを維持するには、日本が韓国に対する優遇措置をはじめ輸出管理のやり方を元に戻すことが前提条件だとしています。このため今回の対話を通じて、優遇措置の復活などを求める構えです。これに対し日本政府は貿易管理とGSOMIA問題とは一切関係がないとしていて、今回の対話は、これまで韓国側に改善を求めてきた輸出管理に関わる人員の拡充や法整備の進捗状況について確認するための場だとしています。

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Q.この政策対話を通じて、関係改善の糸口をつかめるのでしょうか?
A.もともと両国の間では、双方の輸出管理の状況を確認するための協議を定期的に開くことになっていました。しかし韓国側は、長期にわたってこの協議に応じようとせず、それが輸出管理を強化する理由のひとつになったと日本側は説明しています。それだけに、今回3年半ぶりに話し合いの場が設けられたことは一歩前進です。日本側は今回の対話を通じて韓国側の改善が確認されれば、優遇措置を再び認める可能性はあるとしています。そうなれば理屈の上では、韓国がGSOMIAを破棄する理由もなくなるだけに、政策対話の行方が注目されます。

(神子田 章博 解説委員)

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