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「ローマ法王 被爆地からのメッセージ」(ここに注目!)

髙橋 祐介  解説委員

ローマ・カトリック教会のフランシスコ法王が、あす(23日)ローマ法王としては38年ぶりに来日します。髙橋解説委員です。

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Q1)
けさのイラストは法王がスポットライトを浴びている?
A1)
世界13億のカトリック信者の頂点に立つフランシスコ法王は、どこに行っても注目の的。若い頃から念願だったという今回の初来日で、長崎と広島を訪れ、核廃絶を世界に訴えたいとしています。そこで、日曜日(25日)に予定されている被爆地からのメッセージに関して、けさは“3つの数字”に注目してみました。

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Q2)
まず1800万以上。これはどういう数字ですか?
A2)
フランシスコ法王がほぼ毎日9つの言語で発信するツイッターのフォロワーの数です。これが多いか少ないか、色んな見方が出来ますが、ソーシャルメディアの専門家によると、法王のツイートは「拡散する規模の大きさに特徴がある」そうです。現に、母国語のスペイン語だけで平均1万回以上リツイートされるなど、「発言の影響力はおそらく世界一」そんな研究報告もあります。今回のメッセージも世界から注目を集めることになるでしょう。

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Q3)
次に13865発。これは核兵器と関係がありそうですね?
A3)
その通り。ストックホルム国際平和研究所がことし1月時点で推計した世界の核弾頭の総数です。去年より若干減りましたが、地球を何回破壊できるか想像もつきません。しかも最近はいわゆる「使える核兵器」の開発も懸念されています。核兵器の使用はもちろん、核兵器の保有や開発も非人道的だと、法王は訴えてきました。

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Q4)
では3つ目の数字、33カ国というのは?
A4)
これまでにバチカンも含めて核兵器禁止条約を批准した国の数です。条約発効には50か国の批准が必要ですが、日本は参加していません。政府は「核廃絶という目標は同じでも、条約に反対する核保有国も巻き込んだ段階的な核軍縮が現実的だ」と説明します。しかし、米ロの核軍縮交渉は停滞。北朝鮮の非核化も一向に進みません。
どうすれば“核なき世界”に近づけるか?フランシスコ法王の被爆地からのメッセージは、現状を問い直すきっかけになるかも知れません。

(髙橋 祐介 解説委員)

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