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「G7閉幕 来年ロシア復帰は?」(ここに注目!)

髙橋 祐介  解説委員

G7サミットが閉幕し、来年の議長国となるアメリカのトランプ大統領は、ロシアの復帰によるG8復活に意欲を見せています。髙橋解説委員です。

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Q1)
けさのイラストはトランプ大統領がどうして牛になっている?
A1)
今回のG7も周囲をハラハラさせ通しだったトランプ大統領。欧米の慣用表現になぞらえて、壊れやすい瀬戸物が並ぶ店内にいる“暴れん坊の牛”に喩えてみました。そんな“壊し屋”扱いされがちなトランプ大統領も、来年はサミットの議長として“作り手”に回ります。5年前のクリミア併合以来、外に締め出されているロシアを再び招き入れ、G8復活に意欲を見せているのです。

Q2)
なぜトランプ大統領はG8復活に意欲的?
A2)
「ロシアと協力すれば、解決できる問題が沢山ある」「ロシアの排除はオバマ前大統領の失策だ」それがトランプ大統領の持論だからです。しかも、来年アメリカは南部フロリダ州マイアミでサミットを開催したあと、大統領選挙がありますから、再選に向けて自らの外交手腕をアピールする狙いがありそうです。ロシアの復帰によって、店の外にいる中国をけん制する思惑も見え隠れしています。

Q3)
ほかの各国の反応は?
A3)
フランスやドイツは、ロシアが壊したウクライナとの和平が先決だという立場です。イギリスも、それに加えてロシアの元スパイ暗殺事件を理由に、時期尚早だと言います。当のロシアは、そうした反対意見も意識して「G8復活を進んで求めない」としています。このため、実現へのハードルは高そうです。しかし、その反面、米ロ両首脳は、関係修復に向けて“取引”が可能との観測もあるのです。

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Q4)
米ロの“取引”って何ですか?
A4)
第2次世界大戦の勝利から来年で75年になるのを記念した首脳どうしの相互訪問です。ロシアは来年5月、大がかりな式典を計画し、トランプ大統領も招待されています。その返礼に、サミットに合わせて議長国のアメリカが、今度はプーチン大統領を招くという案です。はたしてG8は復活するか?今後も関係各国の駆け引きが続きそうです。

(髙橋 祐介 解説委員)

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