NHK 解説委員室

解説アーカイブス これまでの解説記事

「新元号発表まで1週間 『和風元号』もあるの?」(ここに注目!)

増田 剛  解説委員

イラスト解説「ここに注目」です。
新しい元号が発表されるまで、きょうであと1週間となりました。
政治担当の増田解説委員に聞きます。
c020190325.jpg

Q1)
増田さん、新しい元号が何になるのか、すごく気になりますね。
A1)
そうですね。政府は、新しい元号の選考過程がもれないよう、情報管理を徹底していますが、手がかりはあります。
政府は、昭和54年の元号法の施行後、「元号制定手続」を定め、新元号を選ぶ際の基準を明らかにしています。▽国民の理想としてふさわしい良い意味を持つ▽漢字2文字▽読みやすい▽書きやすい▽過去に元号やおくり名として使われていない▽俗用されていないとなっています。また、元号には、出典が必要だとしています。単に漢字をパズルのように組み合わせるのではなくて、中国や日本の書物など、何がしかの出典が必要だというのです。そして、私が、今回、注目しているのは、この出典が何になるかです。
c120190325.jpg
Q2)
確か、今の平成は、中国の書物が出典ですよね。
A2)
そうです。平成は、中国の歴史書の「史記」と「書経」が出典でした。実は、これまでの247の元号は、確認できる限り、すべて漢籍、つまり、中国の古典によっているんですね。
c220190325.jpg
このため、そろそろ国書、つまり、「日本書紀」とか「古事記」とか「万葉集」とか、日本の古典から採用すべきだという意見が出ているんです。安倍政権の支持基盤である保守派からも、国書を出典とした元号を期待する声があります。
実際、先の参議院予算委員会で、内閣官房の担当者は、新元号の候補案を提出する学者について、漢文学や東洋史学に加え、国文学や日本史学の専門家も対象とする方針を明らかにしています。
国書由来の元号が採用されれば、史上初めてとなります。
c320190325.jpg
Q3)
では、新元号は、国書からの採用が有力なんでしょうか。
A3)
期待する声があるのは確かです。ただ、ハードルも高いです。
というのは、日本の古典から良い表現を選んでも、その大もとは、中国の古典だったりすることが多いからです。その場合は、日中双方にルーツを持つ元号ということになります。そもそも、東アジアは、ひとつの漢字文化圏なのだから、国書か漢籍か、日本か中国かと、対立的にみるべきではないという意見もあります。
いずれにせよ、あと1週間で発表です。
新元号が何になるかは、もちろんですが、出典がどうなるかも、あわせて注目したいと思います。
(増田 剛 解説委員)

キーワード

関連記事