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「新元素『119番』に挑む!」(ここに注目!)

水野 倫之  解説委員

原子番号113番の「ニホニウム」を作った理化学研究所などのチームが、今度は未知の119番元素の合成目指して、今週末から本格的な実験を始める。水野倫之解説委員の解説。

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サッカーのワールドカップ始まるので、周期表をゴールに。
元素の種類は、中心にある陽子の数で決まる。
陽子1個の水素が1番、陽子92個のウランまでは天然に存在するが、それ以降は天然元素同士を合体させて人工的に作ったもので、これまでは米露やドイツが独占し、命名。
そこに風穴を開けたのが日本のチームで、113番元素を合成、2年前、「ニホニウム」と命名。
そして今回再び命名権獲得に向けて未知の119番の合成目指して実験開始。

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今回チームは陽子96個のキュリウムに23個のバナジウムをぶつける。
ただ番号が上がるほど合成は難しく、チームでは加速器や検出器の性能を高めて、秒速3万キロで。
それでも合体確率は低く、ニホニウムも合成できたのは9年間で3個なので、簡単にはいかないかも。
119番どんな元素なのは作ってみなければわからない。
1秒以下で別の元素に変わってしまうとみられすぐに役に立つものではないことだけは確か。
ただ元素には限界はあるのか探求していくのが基礎研究。
119番を巡ってはロシアやドイツとの競争も激しくなっており、ワールドカップと同じくぜひ、日本がいち早くゴールを決めて、科学水準の高さを世界に示してほしい。

(水野 倫之 解説委員)

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