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えっ、あのマンモス校が… 鹿児島市の住宅地でも学校存続議論

  • 2023年04月14日

えっ、あのマンモス校が…。

最初に聞いたときは耳を疑いました。団地や住宅が立ち並ぶ鹿児島市の明和地区で、地元の明和中学校の存続に向けて住民たちが小中一貫校の設置を要望するというのです。少子化が深刻になる中、山間部のような過疎化が進む地域だけでなく、鹿児島市の住宅地でも小中学校の存続をめぐる議論が始まっています。

(鹿児島局記者 古河美香・磯島諒)

かつては2000人近くが在籍も…

鹿児島市教育委員会に小中一貫校の設置が要望されたのは、鹿児島市の明和中学校と明和小学校です。

明和中学校はかつて2000人近くが在籍し、昭和63年に学校を2つに分けましたが...。

なんと、5年後の生徒数は200人を下回ると推定されているのです。

動き出した地元の住民グループ

市教育委員会は、文部科学省が少子化や過疎化で小規模の学校が増えていることを背景に公表した小中学校の統廃合の手引きに基づき、鹿児島市内では小学校が11学級以下の30校、中学校が8学級以下の13校で規模の適正化が必要だとしています。

これを受けて、地元の住民たちが中学校の存続に向けて話し合いを重ねてきた結果、隣接地区の中学校との統合ではなく、校区内の明和小学校との「小中一貫校」の設置を求めることになったということです。

鹿児島市では、桜島にある8つの小中学校でつくる小中一貫の「義務教育学校」が3年後に開校する予定で、学校の適正規模に向けた住民からの要望は今回が2例目です。

要望書を提出する明和まちづくり協議会会長(右)

地元の住民たちは、3月31日に市教育委員会に要望書を提出し、その上で英語教育を推進する特例校の認定など、特色のある学校に向けて検討するよう求めました。

市教育委員会は「要望書の内容を受け止め学校現場とも話をしながら担当部署で検討していきたい」とコメントしています。

過疎化の地域では特認校制度活用も

山間部のような過疎化が進む地域では、特認校制度を導入して特色ある教育を打ち出すことで、児童数の確保に取り組んでいるところもあります。

特認校制度とは、豊富な自然環境に恵まれた小規模校の特性を生かし、健康増進や体力づくりとともに、自然に触れる中で学ぶ楽しさを体験したい、豊かな人間性を培いたいと希望する児童や生徒に、一定の条件のもとで校区外からの入学を認めるものです。

例えば、出水市の山あいにある大川内小学校は、カヌーなど地域の自然を生かしたさまざまな体験活動を多く取り入れた結果、次第に児童数が増えています。

また、同じ出水市の特認校の上場小学校は、「ヤッギー」と名付けられたヤギとの触れ合いなど、ユニークな教育で知られています。

出水市 上場小学校の「ヤッギー」

鹿児島市で適正化検討の小中学校

ただ、今回の明和地区は鹿児島市内でもよく知られた住宅地です。

去年5月の時点で、適正化の検討に該当するとされた小規模な小中学校は、学級数が少ない順に以下の通りとなっています。

小学校では11学級以下の30校が対象です。

5学級を下回る小学校は、黒神、一倉、錫山、本城、花尾、前之浜、皆与志、生見、桜峰、東桜島、東昌。

6学級から11学級の小学校は、南方、小山田、犬迫、桜洲、吉田、平川、瀬々串、牟礼岡、宮、中名、本名、松原、城南、郡山、喜入、武岡台、花野、星峯東、武岡です。

中学校では8学級以下の13校が対象です。

8学級を下回る中学校は、黒神、錫山、東桜島、吉田北、桜島、河頭、郡山、吉田南、明和、甲東、喜入、長田、武岡です。

一方、反対に適正な学校規模を上回り、適正化の検討に該当するとされた31学級以上の小学校もあります。

学級数が多い順に、中山、吉野東、吉野、福平、清和の5校です。該当する中学校はありませんでした。

鹿児島市教委の基本方針を詳しく

最後に、市教育委員会が2018年に考え方や方向性をまとめた基本方針を詳しく紹介します。

この中では、小規模校ではきめ細かな指導が行いやすい一方、多様な考えに触れる機会が少ないなどとしている一方、大規模校では友人同士などで競いあう機会が多いものの、子ども1人ひとりの学力や生活環境を把握しにくいなどとして、いずれも適正な学校規模を確保することが必要だとしています。

そのうえで、文部科学省の手引きの中で、小学校では全学年でクラス替えなどができるよう、1学年2学級以上が望ましいとしているほか、中学校ではすべての授業で教科担任による学習指導などを行うために9学級以上の確保が望ましいとしていることなどを踏まえ、鹿児島市では学校の適正規模について、小学校は12学級から24学級、中学校は9学級から24学級としています。

そして、学校規模を適正化する手段として、桜島での事例のように、小中一貫教育の導入や学校の統合が挙げられているほか、校区の変更や児童生徒の増加にあわせた校舎の増築などが挙げられています。

鹿児島市教育委員会

一方で、学校規模の適正化を進める上では、不安を与えないよう子どもたちの気持ちに配慮していくことや、障害のある子どもの実態に応じた支援について配慮すること、保護者や地域に住む人の理解と協力を得ながら協議を進めること、通学にかかる負担軽減に配慮することなどに留意するとしています。

ご意見をお寄せください!

NHKでは、この問題について、視聴者のみなさまと一緒に考えていきたいと思います。ホームページの投稿フォーム(コチラなどから、ぜひご意見をお寄せください。

  • 古河美香

    NHK鹿児島放送局

    古河美香

    長崎局を経て鹿児島局勤務 県政担当などを経て、現在は教育や経済を担当   2児の母親

  • 磯島諒

    NHK鹿児島放送局

    磯島諒

    秋田局を経て鹿児島局に赴任 鹿児島県政キャップとして政治資金や公文書管理などを取材 校則の現状にも関心があります

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