喜入の中高生が作る学びの場
- 2023年04月07日
鹿児島市喜入では、小学生から高校生までが利用できる無料の自習室があります。
実はその自習室、喜入の中高生がみずから運営しています。
また、話を伺うと彼女たちが運営しているのは自習室だけではありませんでした…!!(情報WAVEかごしまキャスター 山下智子)
中高生が自ら運営する自習室「きいれば」
訪れたのは、木のぬくもりを感じるこちらの建物。
地域の交流拠点をつくろうと地元のクリニックが2022年12月にオープンした「きいれば」。この場所で自習が行われています。
取材したこの日は、喜入の中高生4人が自習していました。
自習室を開放する取り組みは2年前から始まりました。施設が出来るまでは、道の駅の1室を借りて自習室にしていました。
今年1月からはこの場所で基本的に月2回、土日に自習室が開かれています。
期末テストの前は、喜入で個人塾を経営している方や元教員の方が質問にも答えてくれるそうです。
自習室を運営している「喜入マナビバプロジェクトつわぶき」の皆さん。
現在のメンバーは喜入の中高生18人。この日はメンバーの
山下みこと(やました・みこと)さん、東琉斗(ひがし・りゅうと)さん、
戸田清蘭(とだ・きよら)さんにお話を伺いました。
この自習室を運営する取り組みは、高校生が地域の課題を解決する取り組みを発表する全国高校生体験活動顕彰制度「地域探究プログラム」で最高賞の文部科学大臣賞を受賞しました。
団体設立の経緯は?
私たちの先輩が「大好きな地元・喜入のために何かをしたい」という思いから設立しました。最初の取り組みは喜入の中高生のための自習室の運営です。
なぜ自習室なんでしょうか?
活動を始める際、当時の喜入中学校の全校生徒に喜入に自習室は必要かというアンケートをとったところ、必要と答えた生徒が77%だったんです。喜入には自習場所の王道・カフェがなかったり、図書館もコロナの制限がかかっていて中々使えない状況でした。
定期的に利用している高校生にも話を聞きました。
家よりも居心地がよく、定期的に通っています。勉強をしたいと思って集まっている人たちと一緒に勉強できるのがいいなと思う。テスト前は元教員の方に質問も出来るので定期的に通うことにしています。
また、喜入マナビバプロジェクトつわぶきの皆さんが企画するのは自習室だけではありません。定期的にイベントも開催しています。
活動を知ってほしい!イベントの開催も!
こちらは4月2日に行われた「春の祭典」。 カードゲームやアロマキャンドル作りなどメンバーの特技を生かしたイベントが開催されました。
桜の花びらの形をした紙に、4月からの意気込みを書いてもらい、子どもたちを中心に盛り上がりました!
イベントを開催する狙いは?
設立した当初は自習室の開設のみ行っていたんですが、私たちの団体の活動を多くの人に知ってもらおうとイベントを始めました。今では机に向かう勉強以外にも学べることがあるのではないかと思ってイベントの開催をしています。
イベントの企画から運営、広報まで全てメンバーで担う中、大きく成長したメンバーも。
メンバーの東琉斗さんが制作したイベントのポスター。
左は2021年8月に制作したもの、そして右は2022年12月のイベントのものです。
2021年8月のイベントのポスターは詳細を事細かに書きすぎてしまって、集まった人は1~2人でした。文字が多いと読みづらいと反省し、1年後のイベントのポスターは「学びの祭典」というイベント名に合わせて学校の絵を入れたり、時間割風に1日のスケジュールを記載したりと工夫しました!
イベントの企画を通して、自分で考えて行動する・改善するなど、メンバー自身の学びの場にもなっているとのことでした。
最後に2023年度の会長を務める戸田さん、今後の目標を教えて下さい!
この自習室という場を継続していきたいと思います。
また、私たちが開催するイベントを通して喜入の幅広い世代の人々の交流の場になればと思います!
取材後記
AI時代とも言われる中で、高校時代から自分たちで考えて行動し、周囲の大人ともコミュニケーションをとりながら地域のために活動する彼女たちの存在はとても頼もしく感じます。これから喜入を盛り上げるどんな企画が飛び出すのか?喜入マナビバプロジェクトつわぶきの活動に注目です!