鹿児島から世界へ挑む 神村学園 福田師王選手が語ったのは
- 2022年12月28日
1月からサッカードイツ1部リーグのボルシアメンヘングラートバッハに加入する神村学園の福田師王選手。「ドイツで活躍し日本をしっかり背負える選手になりたい」と意気込みます。鹿児島からJリーグを経ずに世界へ羽ばたく、その思いを語りました。
(鹿児島局記者 松尾誠悟)
Guten Morgen!
12月20日にいちき串木野市の神村学園で記者会見を開いた福田師王選手。少し緊張した表情でしたが、詰めかけた報道陣からドイツ語で覚えている言葉はと問われると「Guten Morgen!」と笑顔で発音よくあいさつしました。※Guten Morgen(グーテンモルゲン)はドイツ語で「おはよう」
語学の勉強に取り組んでいるという福田選手。「1日でも早くトップチームデビューをして、勝利に貢献できるよう頑張りたい」と意気込みました。
決め手は日本代表選手のことば
福田選手は身長178センチで全身にバネがあるような身体能力が持ち味のフォワードです。多彩な得点パターンを持ち合わせていて、2年生だった去年の全国高校総体では得点王に輝きました。プロチームからのオファーはJリーグが10チーム。そして海外からもドイツ1部リーグで5回優勝の名門、メンヘングラートバッハから獲得の意思が伝えられました。
Jリーグを経ずに海外のチームに加入するケースは決して多くありません。会見では、ドイツでメンヘングラートバッハの練習に参加したときに、決め手となる出来事があったと明かしました。
メンヘングラートバッハに所属する板倉滉選手。そして、ドイツの別のチームに所属する吉田麻也選手という、ワールドカップカタール大会でも活躍した日本代表選手たちからかけられたことばです。
「早い段階で世界を体験できると将来は変わってくる」
「今すぐにでもこい」
福田選手は「その瞬間から覚悟しました。早い段階に世界に行って成長できるのであればそのほうがいいし、練習に参加していいクラブということも分かったので選びました」と話しました。
レバンドフスキやロナウドみたいに
周囲が「努力家だ」と口を揃える福田選手。鹿屋市の小学校から神村学園に進学したあと、体を強くするため食生活から地道に改善しました。苦手なピーマンやトマトも食べるようになったほか、「筋肉によい」とタンパク質を多くとるようになったといいます。
その結果、体重は高校入学時から16キロ増加。海外で活躍するためには、さらに強くしていく必要があると考えていて、会見では「体づくりをしっかりとしていきたい。ポーランド代表のロベルト・レバンドフスキやポルトガル代表のクリスチアーノ・ロナウドみたいに、大きくムキムキになりたい」と話していました。
さらに、こだわり続けてきたのが「ゴールする」ことです。シュート練習は、有村監督が「それ以上、続けるとけがをする」と止めに入るほど積み重ねてきたといいます。
有村監督は「点を取ると言い続けてきた3年間でした。本当に突き詰めてやっていると思いますし、シュートが入るというのも努力のたまものだと思う」と目を細めました。福田選手も「得点能力や動きだしの部分は神村学園に入って成長できた」と胸を張りました。
“日本を背負える選手に”
Jリーグを経ずに海外へ挑戦するという福田選手の決断。「高校から直接海外に行って成功している選手ってなかなかいないんですけど、自分が成功例をつくっていきたい」と力強く語りました。
1月からドイツでの生活を始め、まずはメンヘングラートバッハの23歳以下のチームからスタートします。ただ、福田選手はすでに2026年のワールドカップで日本代表入りする姿をイメージしていました。鹿児島から世界へ羽ばたく18歳の挑戦が始まります。
4年後は自分が出て日本を勝たせるという気持ちなので、ここから先の4年間は大切にしていきたいと思います。もっと頑張ってドイツでも結果を残して、日本を背負えるような選手になりたいです。