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有人7島を走破!「トカラ列島 島めぐりマラソン大会」

全国のマラソン好き、離島好きが注ぐ熱視線。その魅力とは―
  • 2022年12月21日

 

NHK鹿児島アナウンサーの白鳥哲也です。今年はコロナ禍で中止になっていた祭りやイベントが3年ぶりに再開されたニュースが各地で聞かれましたね。鹿児島県十島村(としまむら)の「トカラ列島 島めぐりマラソン大会」もその一つです。村をあげての一大イベントですが、大変人気の大会で、参加するのに抽選があるんです。今年初めて私も抽選に当たりまして、参加してきました。私が走りながら撮影した写真で振り返ります。

十島村は、屋久島と奄美大島の間に、有人島7つと無人島5つが南北およそ160kmに連なる長~い村。この大会は、そんな十島村の地理的特性を生かして、有人7島をフェリーで巡りながら、島ごとに2.4㎞~4.9㎞、合計25.1㎞を1日で走破するという全国にも類のないユニークなマラソン大会です。

9月30日(金)の夜11時に鹿児島港を出港し、10月1日(土)の朝5時に最初の島、口之島(くちのしま)に到着です。

午前6時、日の出とともに開会式。全国から72人のランナーが参加しました。遠くは北海道からも! しっかり準備運動をして、まずは4.9km走ります。

先頭ランナーの先導は、一緒にフェリーに乗り込んだ鹿児島中央警察署の白バイが務めます。

沿道では牛さんの応援もありました。

 

フェリーに戻って小1時間。つづいては中之島(なかのしま)に上陸です。

「トカラ富士」の愛称にふさわしい美しいりょう線の御岳(おたけ)に見守られながら2.8㎞を走ります。

見てください。車のワイパーが応援の小旗を振っています。ナイスアイデアですよね。

火山の恵み、天然温泉も湧いていまして、

大会を熟知しているランナーの中には、マラソンの途中で温泉を楽しむ余裕のある人もいました。「安心してください。はいてますよ~」

 

次の島まではちょうど1時間。3つ目の諏訪之瀬島(すわのせじま)です。

島に近づいたちょうどその時、最近活動が盛んな諏訪之瀬島・御岳が噴煙を上げました。

4.5㎞のコースの折り返し地点は、10月に鹿児島空港との間に航路が新設された諏訪之瀬島空港。

飛行場がマラソンコースというのは全国的にも珍しいんじゃないでしょうか。私もいい経験ができました。

(自分の名前にちなんだハクチョーの仮装ランはいつものことですので、気にしないでください・笑)

港に戻ると、何やら小学生たちの元気な声が。

マラソン大会で自分たちに出来ることはないかと考えて作ったという、観光マップと御岳の火山灰を記念品として配っていました。

 

4つ目の島は平島(たいらじま)。フェリーを下りると、海の青さに目を奪われます。「見て見て、めっちゃきれい!」ってたぶん彼ら言ってます。

そして、「え、平島、全然平らじゃないじゃん!」って、たぶんみんな言っています(笑)。

平島の“平”は島の地形ではなく、平家落人伝説にちなむとか。目の前のつづら坂に撃沈・・・。でも島の皆さんの応援を受けて、なんとか4.0㎞を走り続けます。

平島小中学校の子どもと先生。一番右は、先生いわく、じわじわ人気上昇中の島のキャラクター「平マン」だそうです。

つづいては、参加経験者いわく、最後の難関、悪石島(あくせきじま)です。港に降り立ったランナーたちからどよめきが。よく見てください。右上にガードレールが見えますよね。少なくともあそこまでは走るということです。ざわつかずにはいられません。

坂の途中には、太平洋戦争中に悪石島近くで撃沈された学童疎開船「対馬丸」の慰霊碑があり、島の皆さんの手できれいに維持されていました。

2.0㎞ぐいーんと上ったら、折り返して今度は一気に駆け下りるわけですが、膝にこないわけがないですよね。

痛みをかばいつつ、美しい景色に癒やされつつフェリーに戻ると、

港では子どもたちが出港するフェリーを追って、手を振りながら岸壁の端まで走り出すんですよ。

もうオジサンは目頭が熱くなりましたよね・・・(泣)

 

船内での休憩もつかの間、6つ目の小宝島(こだからじま)に到着です。海上から見ると妊婦さんの寝姿に見えると形容されます。

小宝島は隆起サンゴ礁でできた島。

ユニークな形の岩山が点在する中にのんびりと牛が放牧されています。

2.4㎞走り終え、港に戻ったところで見つけた個人的なお気に入り。

マーライオンならぬ、名づけてマーゴリラです。見えません?(笑)

 

さぁ、そして7つ目。最後の宝島(たからじま)に到着です。

宝島と言えば港の巨大な壁画が名物の1つなんですが、ちょうど、新しい作品の制作途中でした。

手掛けているのは神奈川在住の岩切章悟さん。完成が楽しみですね。

日も沈みかける中、島の皆さん、最後まで声援を送ってくださいました。

宝島小中学校のみなさんも横断幕を作って応援してくれましたよ。

競技終了後は、漁港で交流会。乾杯の瞬間が、この日、一番元気が出たかもしれません。

コロナ対策ということもあり、それぞれにお弁当が配られるスタイルでしたが、中身がすごい。

それぞれの島の食生活改善推進協議会の皆さんが腕によりをかけた海の幸・山の幸が詰まっていました。

子どもたちによる余興パフォーマンスがあったり、大抽選会があったりと、楽しいひとときを過ごしました。

交流会のお開き後は、停泊中のフェリー船内で就寝。翌朝(10月2日)の5時すぎに宝島港を出発し、鹿児島港を目指して帰路につきます。

帰りもそれぞれの島の港には見送りの人たちが集まってくれていて、別れの挨拶を交わします。

子どもたちが「来年もまた来てね~」と叫ぶと、船の上からは参加者が「また来るよ~」と返すのですが、「まぁ、抽選に当たったらね~」などの声が交じり、港は笑い声に包まれます。なんだか素敵な映画のワンシーンを見ているかのような時間でした。

鹿児島港に着いて船を下りると、十島村の村長以下、役場の職員が花道をつくって総出でお見送りです。ここまでされて島のファンにならない人はいないでしょう。

コロナ禍での3年ぶりの開催とあって、運営側のご苦労もいつも以上だったと思いますが、参加させてもらった身としては、本当に感謝の気持ちでいっぱいでした。全国のマラソン好き、そして離島好きの皆さん、来年はぜひエントリーしてみませんか?

 

  • 白鳥 哲也

    白鳥 哲也

    長崎・京都・松山・沖縄局を経て、Eテレ「きょうの健康」などを担当
     現在は、ふるさと鹿児島で「情報WAVEかごしま」キャスター

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