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天文館の飲食店店主に聞いた「焼酎の可能性」わけもんラボ

Fチーム 焼酎のイメージ改革
  • 2022年11月24日

    「焼酎のブランディング」をテーマに選んだFチームのメンバー、まるちゃんとあっくんの2人。
    今後の活動のヒントを探るため、鹿児島で焼酎に詳しい人に話を聞いてみることにしました。

    今回話を聞いたのは?

    天文館で飲食店2店舗、それに焼酎と特産品のアンテナショップを営む鳥越慎一さん(50)です。
    「鹿児島の食材、焼酎、そして何より人が大好き!」と公言する鳥越さん。焼酎の魅力、そして可能性について話を聞かせてもらいました。

    鳥越慎一さん

    若者は焼酎を飲まないって本当?

    まるちゃん

    鹿児島にはおいしいものがたくさんありますが、その中でもとりわけ特徴があるのが焼酎かな、と思っています。ただ、若者が焼酎を楽しんでいるという話はあまり聞かない気がしています。29歳の私も、焼酎を飲めるようになったのはここ1年くらいです。

    鳥越さん

    僕は日々、飲食店のホールに立っていますが、若者が焼酎を飲まないわけでは決してありません。ワインでも日本酒でも同じですが、おいしいものに出会うと、そこからハマりますよね。その“おいしい”をどれだけたくさん伝えていけるかが、飲食に関わる僕らの仕事だと思っています。

    あっくん

    いっとき焼酎ブームがあったと思いますが、今はどんな状況なんでしょうか?

    鳥越さん

    焼酎が売れていないと言う人もいますが、僕が20代の頃はもっと売れていなかったんですよ。酒造メーカーの努力や焼酎ブームもあって消費量が一時期大きく増えて、少し落ち着いた状況なのが今だと思います。焼酎の製造元は鹿児島だけで112蔵もあるんですが、焼酎や食も、こんな感じで当たり前にある。だから、魅力が十分伝わっていないかもしれませんが、鹿児島県は実はすごくポテンシャルがあると思っています。

    まるちゃん

    魅力的に感じられるようにするにはどんな工夫ができるのでしょうか?

    鳥越さん

    地域性や季節に合わせて「こういった飲み方をするとおいしいよ」という提案をしてあげたらいいんじゃないかな、と思っています。焼酎の作り手さんたちは、一生懸命、消費者のことを考えて作っています。その思いをちゃんと伝えることができれば、必ずおいしいと言ってもらえるはずだと信じています。それぞれの焼酎の個性に合わせて、グラス、温度帯、割り方といった要素を工夫して組み合わせて提供するのですが、おいしいって言ってもらえたときはたまりません。こういう出会いが若い人たちにもっとあれば、焼酎がさらに広がっていくと思っています。

    鳥越さん(左)とあっくん(右) まるちゃんはオンラインで参加

    少しでもファンを作りたい

    あっくん

    若者や県外に焼酎を広めていく上で、取り組んでいることはありますか?

    鳥越さん

    「焼酎の会」というのを開いています。杜氏さんに実際に目の前で(お湯割りやロックなど)焼酎を作ってもらい、どんな思いで作ったのか、話を聞きながら一緒に焼酎を飲む会です。作り手の話が一番説得力がありますよね。あとは、こうしたイベントを通して、少しでも焼酎のファンになってもらえればいいなと思っています。作り手の顔を見て、人柄を知ることができたら、きっとみんな好きになってくれます。次の購買動機につながればいいなと思ってやっています。

    あっくん

    どうしたら1人でも多くの若者に、焼酎の魅力を伝えていくことができるでしょうか?

    鳥越さん

    鹿児島の伝統産業なんだということをアピールしていきたいと思っています。先ほども言いましたが、県内には112もの蔵があって、そこから酒屋さんと、酒屋さんが焼酎を卸す飲食店につながります。そう考えると、鹿児島県内で何らかの形で焼酎に関わって暮らしている人って、千、万単位でいると思います。焼酎って鹿児島の伝統産業なんです。その伝統産業に、もっと気軽に多くの人が触れる機会があればいいなと思っています。やっぱり伝えていく人「伝え人」を増やしていくのが大事だと考えています。

    若者向けの焼酎のブランディングとは

    まるちゃん

    焼酎って「割る」ことがハードルになっているんじゃないかと感じていて、割らずに飲める焼酎があったらいいと思います。

    鳥越さん

    そういう商品、実はもうあるんです。「前割り焼酎」っていうんですけど、なかなかハネてくれないですね(笑)

    あっくん

    そうなんですね。僕は、焼酎って単体で出しているところが多いですが、焼酎を飲む「空間」もパッケージにしていくことが大事じゃないかと考えています。どこどこで飲む焼酎みたいな感じで。

    まるちゃん

    サウナ後に飲みたい焼酎とか?

    あっくん

    サウナブームですからね!あとは、寝る前に飲むかわいい焼酎とか。

    鳥越さん

    それいいね!

    あっくん

    そういうのが可能でしたら、今までにないスタイルで出したいとも思っています。かわいいボトルとか。

    鳥越さん

    ボトルの形状、ラベルもですね。いいですね!

    焼酎のイメージを変える

    あっくん

    焼酎は香りを楽しむものだと思っているのですが、焼酎の香りを表現する「芋くさい」という言葉から、田舎のおじさんたちが飲んでいるイメージを持ってしまいます。

    鳥越さん

    そうですね、おじさんのイメージを払拭(ふっしょく)しないといけないですね。鹿児島のおじさんをかわいくせんといかんね(笑)ただ、個人的に思っているのは、焼酎の可能性は無限大で、まだまだ伸びしろがありまくりということです。ただ、その「伝え人」という人材、伝え方、発信の仕方に課題があるんだと思います。これから新型コロナが落ちつけば、観光で鹿児島に人が戻ってくる。その時に、黒豚、黒毛和牛、鶏もある、野菜もおいしい、魚もおいしい、それに焼酎がある。こんなに武器がそろっているから、可能性は無限大ですね。

    Fチームの活動は続く

    インタビューをした鳥越さんのアツい思いに触れたまるちゃんとあっくん。2人は焼酎の持つ可能性を感じ、夢が膨らんだようです。次々出てくるアイデアをどう実現させていくのか。Fチームの活動は続きます。

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