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終わらぬ戦争 ウクライナから鹿児島へ逃れた女性の半年

関心を寄せ続けて欲しい・・・
  • 2022年09月14日

今も戦火が続くウクライナ。この半年間、多くの人たちが家族を奪われ、そして、故郷を追われました。遠く離れたここ鹿児島にも、ウクライナから逃れてきた人たちがいます。国に残る家族の安否や母国の行く末に不安を抱きながら避難生活を送る女性が私たちの取材に胸の内を明かしました。

(鹿児島局記者・西崎奈央)

母親の勧めで苦渋の出国

カテリナ・ヴォズニュクさん(20)は、7月下旬に、ウクライナ西部のフメリニツキー州から隣国・ポーランドを経由して鹿児島に避難してきました。

ヴォズニュクさん

「私が住んでいた街の中心部では、建物が爆撃されるようなことはありませんでした。それでも、防空警報は毎日鳴っていましたし、飛んでくるミサイルを迎撃する音が聞こえたりして、とても怖かったです。それは戦争が始まった日からずっとでした」

ロシアによる侵攻後は、国内各地からの避難民を支援するボランティアを続けていたヴォズニュクさん。しかし、先行きが見通せない中、母親にすすめられ国を離れることを決めました。大切な家族を残しての避難は苦渋の選択だったと言います。

ヴォズニュクさん

「正直、国を離れたくはありませんでした。私の故郷ですから離れたくないのは当然です。ただ、親たちは子どもの身の安全に何かあったらと、国外に避難させようとしたのです」

国に残る家族たちは

ウクライナの学生を支援する日本のプログラムを通じて、友人2人と避難し、現在、受け入れ先の鹿児島市内の専門学校に通うヴォズニュクさん。多くの人たちの支援を受けながら、日本での生活にも少しずつ慣れてきたと言います。

それでも、気がかりなのは国に残る両親、そして、兵士に志願した兄のことです。

ヴォズニュクさん

両親とは毎日連絡を取り、無事を確認し合っています。でも、家族や親せきの多くは軍に入隊したので、どこにいるのかすらわかりません。だからとても心配です」

戦争が始まってから半年。罪のない市民への容赦ない攻撃は終わらず、人々は必死の抵抗を続けています。

「ウクライナがこんなにも長い間、闘い続けていることを誇りに思いますし、一刻も早くこの戦争が勝利とともに終わってほしい。勝利のために、そして人々を救うために今もウクライナにいるすべての人を誇りに思いますし、避難民となって命をつないでいる人も誇りに思います」

関心を持ち続けて欲しい

ヴォズニュクさんは、ウクライナの人たちが平穏な日常を取り戻すために、日本の人たちにも関心を寄せ続けてほしいと願っています。

「ウクライナに関するニュースは以前に比べて減りましたし、人々の話題にも上らなくなくなっていることはとても悲しいです。関心が薄れていくことは仕方のないこととはわかっています。でも、ウクライナのことにもっと声を上げてほしいし、支援してほしいです。ウクライナの人たちに平和が訪れることを祈っています」

ヴォズニュクさんは「平和な場所に来られた立場として、ウクライナの現状を伝えることが、母国に残る人々のためにできることだ」として、今回、私たちの取材に応じてくれました。
ウクライナの支援にあたっている国際NGOによりますと、現地では今も日用品や医療品などが不足し、継続的な支援が必要だと訴えています。

  • 西﨑奈央

    NHK鹿児島放送局 記者

    西﨑奈央

    2019年入局。警察担当や薩摩川内支局を経て、県政や調査報道、国際問題などを担当

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