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薬丸裕英さん 大崎町ふるさとPR大使に その思いは

  • 2022年09月02日

「やっくん」の愛称で親しまれているタレントの薬丸裕英さんが、大崎町の「ふるさとPR大使」に就任しました。きっかけは、NHKの番組「ファミリーヒストリー」で、薬丸さんの父方のルーツが大崎町にあると放送されたことです。「先祖がつないでくれた縁」だと、大崎町のPR大使を引き受けた薬丸さんに、白鳥哲也アナウンサーが話を聞きました。

                     (鹿児島局アナウンサー     白鳥哲也   
                                                   記者  古河美香)

先祖がつないでくれた縁

「大崎郷には肝付氏に仕える武将、薬丸孤雲、薬丸弾正という親子がいたのです」

(2021年11月23日放送 
ファミリーヒストリーより)

去年11月、著名人の家族にまつわる歴史をひもとくNHKの番組「ファミリーヒストリー」で、薬丸家のルーツが、戦国時代、大崎町の周辺を守っていた有力な豪族の家臣だったことが紹介されました。
それまで薬丸さんと鹿児島、そして大崎町との縁は薄いものでした。

「本当に寡黙な父で、ルーツとかそういうことに関して話を聞いたことがなかったものですから、ファミリーヒストリーを見た時はちょっと衝撃でした。武士なんて本当に想像してなかったからとても驚きでした。
遠縁の親戚の方が鹿児島にいらっしゃいましたけど、祖父も祖母も東京におりましたので、なかなか鹿児島に遊びに行くという機会もなかったです」

しかし番組を見た大崎町の職員が、この情報に飛びつきます。芸能界でも随一のグルメとして知られる薬丸さんに、東京での知名度はまだまだ低い大崎町のマンゴーやうなぎを応援してもらいたいと、ふるさとPR大使を要請したのです。その時の思いを薬丸さんは次のように話しています。

薬丸裕英さん

「もう本当に、先祖がつないでくれた縁だと思って、二つ返事で引き受けさせていただきました。ファミリーヒストリーを見て、自分の先祖が本当にたくましく生きのびたその地で、お力になれることがあればと思いました。今回、こうやって大崎町に訪れることができて本当によかったと思っています」

 “ベロメーター”で食材PR

大崎町は、昨年度のふるさと納税の寄付額が鹿児島県の市町村別で3番目に多い43億8500万円にのぼります。
PR大使の交付式では、さっそくパッションフルーツやうなぎ、和牛など町が誇る数々の食材が、薬丸さんの前に並びました。
まずは、ふるさと納税の返礼品として、隠れた人気という干し芋を口にした薬丸さん。

「ね~っとりしておいしい」

次に食べたパッションフルーツをスプーンですくい取ると・・・。

「大崎町にハワイを感じる!」

そして、県内一の生産量を誇るマンゴーを食べたときはこうコメント。

「大きな声で言えないけど、宮崎を超えている!」

つめかけた取材陣からも笑い声があがりました。
キレのある「食リポ」で、さっそく町の魅力をPRした薬丸さん。今後、大崎町の数々の食材の魅力を、みずからのブログなどを通じて発信していきたいと考えています。
 

薬丸裕英さん

「本当においしかったです。お世辞抜きでおいしかったです。でも、あまり東京までは届いてきていないです
おいしい果物はたいてい都内の高級フルーツ店にありますが、大崎町産は見たことがありません。
ふるさと納税をされている一部の人たちは知っている人も多いですけど、ふるさと納税をしている人たちばかりではありませんので、そうした人たちにも知っていただけたらなって本当に思いました

5児の父親で、去年初孫が生まれ、おじいちゃんになったという薬丸さんは、進んで家事に取り組んでいますが、料理だけは苦手だと話していました。でも「舌」には自信があると言います。

薬丸裕英さん

「片づけは好きです。料理のあとの後片づけとか、お風呂掃除や洗濯、トイレ掃除は率先してやっているんですけど、料理だけは苦手ですね。
 でも、いろんなおいしいものや食材の情報を結構持っているので、“味覚番長”と呼ばれています。インプットもすごいですよ。
 今はいろんなサイトの点数の高さなどで判断されることもあると思いますが、私の場合は本当に自分の味覚“ベロメーター”があります。
 このベロメーターでいろんな人に、この店のあれがおいしかったよとか、ここは本当にお勧めだよと伝えています。それはすごく信頼されているので、この発信力で大崎町の豊富な食材をPRできればいいなと思います

リサイクル全国一を世界に誇れ

大崎町で薬丸さんが発見した「魅力」は、食べ物だけではありません。リサイクル率全国一という大崎町の環境への意識の高さにも驚いたと言います。
祖父と父親が通った大崎小学校を訪れた際に見た子どもたちの姿について、次のように話していました。

薬丸裕英さん

「子どもたちが給食で飲んだ牛乳パックを、ちゃんと洗って積み上げている。ちゃんとリサイクルできるように、分別もしっかりやっていました。本当にきれいにしていました。
子どもたちはやらされてるんじゃないです、自分たちが率先してやっているんです。
給食のお皿も自分たちで洗って積み重ねていました。こういう映像をもっと全国に放送しなきゃいけないなという思いを強く感じました」

豊かな食材がはぐくまれる背景にある、町ぐるみでの環境問題への取り組み。その姿は世界に向けたアピールポイントになると言います。

薬丸裕英さん

「これまで14回もリサイクル率が全国ナンバーワンって、世界に誇れると思うんですよね。今、SDGsがこれだけ叫ばれていて、東京のほうではSDGs、SDGsと言って取り組まれています。でも大崎町は『何をおっしゃてるんですか、私たちは昔からやってますよ』って言える。それは誇ってもいい部分だと感じたので、声を大にしてPRしたいです

大崎町に集まれ

薬丸さんは、大崎町が活性化するよう、これからもアイデアを出していきたいと考えています。
 

薬丸裕英さん

「本当に多くの人に町に来ていただきたいと思います。町は人が作るので、人が減ることが一番悲しいことだと思います。
どうしたらこの大崎町に足を運んでいただけるのか。まず足を運んでもらい、いいなと思ってもらい、住んでいただけるぐらいまで、何かお力添えできればと思います。いろんなアイデアをお伝えして、皆さんとコミュニケーションを図りながら、町をPRしていければと思っています

町の人気 “うなぎのぼり”に

最後に、薬丸さんにPR大使としての意気込みを色紙に書いてもらいました。「うーん」と考え込み出てきたのは、昼食で食べた“あの特産品”にひっかけたことばでした。

薬丸裕英さん

「今回初めて大崎町を訪れて、全国に大崎町の魅力を知っていただきたいと思い、『大崎町の人気 うなぎのぼり』と書きました。ランチにいただいたうなぎが本当においしかったんです。あのうなぎのおいしさは、ぜひ全国の人に知っていただきたいなと思いました」

取材を終えて

薬丸裕英オフィシャルブログ

1泊2日で大崎町を訪れた薬丸さんは、自身のブログで「弾丸視察&試食ツアー」と書くほどに濃密なスケジュールで町内を動き回っていました。
予定が詰まっている中、15分ほどいただいて臨んだインタビューでは、豊富な食材だけではなく、リサイクル活動が定着している人々の暮らしにも関心を寄せていて、大崎町にすっかりほれ込んでいるように感じました。
そして、じっくりと考えたあと色紙に書いた「大崎町の人気 うなぎのぼり」の文字。町への期待を込めたことばに思わず、うまい!と拍手をしたほどでした。
よく見ると、油性ペンの太い方を使って、いきのいいうなぎのようなにょろっとした文字になっています。
芸能界の第一線で活躍し続ける薬丸さんのサービス精神が見て取れました。思わぬ形でつながった大崎町と薬丸さん。「先祖がつないでくれた縁」と何度も話していた薬丸さんの発信力で、大崎町がより元気に、”うなぎのぼり”になること間違いなしです。

  • 白鳥 哲也

    白鳥 哲也

    長崎・京都・松山・沖縄局を経て、Eテレ「きょうの健康」などを担当
     現在は、ふるさと鹿児島で「情報WAVEかごしま」キャスター

  • 古河 美香

    古河 美香

    長崎局を経て鹿児島局勤務 県政担当などを経て、現在は教育や経済を担当   2児の母親

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