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12月の兼題
「さいも」

  • 先生に さいもわせた びんた料理じゅい

    鹿児島市 / たいら 祐治 さん

    先生に さいも,食|く,わせた ,頭|びんた,,料理|じゅい, 鹿児島市 たいら 祐治

    (是非にと、先生方をカツオの頭料理でもてなした という意味)

    寿星 :これは詳しい説明は要らないぐらい鹿児島では有名です。カツオの町枕崎では市内の小中学校に新しく赴任した先生方をカツオの頭料理で歓迎することもあるようです。このような地域の名物行事に目を付けたところがお見事でした。

    キャスター:枕崎ならではということですね。

    寿星 :よく分かりませんが、カツオの頭というのはなかなか手に入らないのかもしれません。そこを先生方に是非にという地元の方々の気持ちが表れているのではないでしょうか。


    先生に さいもわせた びんた料理じゅい


    <唱> 枕崎まくらざっ子を よろしゅたのんち

    (枕崎の子供達をよろしく頼みますよ という意味)


  • さいもちゅで けセーターを ばばとペア

    鹿児島市 / 福迫 もみじ さん

    さいも,言|ちゅ,で ,赤|あ,けセーターを ,婆|ばば,とペア 鹿児島市 福迫 もみじ

    (奥様がどうしてもということで、赤いセーターをペアでそろえた という意味)

    キャスター:元気な奥様のようですね。

    寿星 :課題の言葉にしっかり絡んだ句でした。コロナ禍で何となく暗いなかでこのような句に出会いますと、ぱっと明るくなって、読み手までウキウキさせてくれるようです。躍動感もあって、これは赤い色の効き目かもしれません。おとなしい旦那さんを積極的に引っ張っているのでしょう。着ることによって気持ちまで若くしてくれるのではないでしょうか。


    さいもちゅで けセーターを ばばとペア


    <唱> はっい着れば しなんそ

    (初詣でに着て行けば良い年になるのは間違いないでしょう という意味)


    神様もほほえむことでしょう。

  • 年越しは さいも実家さとでで ない大家族うげね

    鹿児島市 / 前田 一天 さん

    年越しは さいも,実家|さと,でで ない,大家族|うげね, 鹿児島市 前田 一天

    (年越しだけは是非とも実家でと、みんなが集まり大家族になった という意味)

    キャスター:天に選んだのはどこが良かったのですか?

    寿星 :時期的にもぴったりで、課題の言葉を使って家族愛がしっかりと生かされているところです。この親にこの子ありが伝わってきます。最近はこのような情景は少なくなっているかもしれませんが、昔を懐かしく思いださせてくれます。また親が元気であっても、コロナ禍ではこのような情景はなかなかつくりにくいかもしれません。来年こそはとの願いも込めております。


    年越しは さいも実家さとでで ない大家族うげね


    <唱> ばっさあがぼり せしこやしたろ

    (料理作りにお婆ちゃんが大変忙しかっただろう という意味)


    しかし嬉しい忙しさでしょう。「ぼり」とは大変とか非常にという意味です。

今月のポイント「具体的に表現した方がわかりやすい」

投句の中の「さいも」の対象で、「嫌いな料理」とか「良い物」のような表現がありました。このような場合、対象物の具体名を出した方が現実味が増して訴える力が強くなります。最後になりましたが、今年1年薩摩狂句をご覧いただき、そして沢山の方に投句いただきましてありがとうございました。新しい年もどうかよろしくお願いします。