トップページ  番組情報  情報WAVEかごしま  さつま狂句  2022年1月27日放送分

1月の兼題
「気合い」

  •      

    大谷が 気合いで賞を 全部ずるっ

    東串良町/石田 良幸 さん

    大谷が 気合いで賞を 全部獲っ(おおたにが きあいでしょうを ずるっとっ) 東串良町 石田 良幸 さん

    (大谷選手が気合いでメジャーリグのあらゆる賞を獲得した という意味)

    寿星 :「ストイック」という言葉があります。「禁欲的に厳しく自分の身を保つ」という意味ですが、大谷選手がそのものだということを聞いたことがあります。気力・精神力が強いからこその、あの活躍だったのではないでしょうか。タイムリーな話題を課題に結び付けたところがお見事でした。
    キャスター:課題に何を組み合わせるかということですね。
    寿星 :それを探す楽しみもありますし、同じような発想を防ぐことにもなります。

    大谷が 気合いで賞を 全部ずるっ


     

    <唱> 平然しれっしちょいが たぎっちょい性根ねしゅ
    (平然としているようにみえるが、内心は燃えたぎっている という意味)

    4月の開幕が待ち遠しいところです

  • かんい 気合い気合いち かっ

    姶良市/吉原 凡才 さん

    寒稽古い 気合い気合いち 喝が飛っ(かんげこい きあいきあいち かっがつっ) 姶良市 吉原 凡才 さん

    (寒稽古に、気合い気合いと喝が飛ぶ という意味)

    寿星 :予想はしておりましたが、今回は「寒稽古・初稽古」の句が競合しました。そのなかでは磯浜での初稽古が多いでした。しかしこれは過去に似たような句が出尽くしております。第一発想は皆さん同じと考えた方がいいようです。
    キャスター:この句はどこが良かったのですか。
    寿星 :狂句的な見方でいろいろ物語を展開させてくれます。それから「気合い、気合い」と重ねたこところで臨場感が出てきました。

    かんい 気合い気合いち かっ


    <唱> ダウンコートい 手を入れたない
    (ダウンコートに手を入れたままの人が、気合を入れと叫んでいる という意味)

    気迫が通じるといいですが・・

  • ぜ気合い 孫んけんい いな汗

    鹿児島市/中村 澄子 さん

    凄ぜ気合い 孫ん剣道い 手いな汗(わぜきあい まごんけんどい ていなあせ) 鹿児島市 中村 澄子

    (剣道の試合の孫のすごい気合いに手に汗をかいている という意味)

    キャスター: この句を天に選んだ理由は何ですか?
    寿星 :自分も経験したことがあるような、いわゆる追体験をさせてくれるということです。会場に響き渡るリンとした気迫が聞こえてくるようです。風景描写だけでは狂句にはなりませんが、孫の姿に感動したお婆ちゃんがしっかり描かれております。ご高齢の方ですが、狂句に真剣に向き合っていらっしゃるのが伝わって来ます。

    ぜ気合い 孫んけんい いな汗


    <唱> いさまし姿すがて 鳥肌といはだ
    (孫の勇ましい姿に鳥肌が立った という意味)

    あの甘えん坊が、という新たな驚きまで感じられるようです

今月のポイント「無理な縮めかたをしない」

鹿児島弁は縮めた言い方が多いですが、言葉によっては全部が全部とは限りません。 今回の投句に「気合い→気合(きえ)」、「試合→試合(しえ)」、「応援→応援(おえん)」という音数合わせのための無理な 縮め方が見られました。日常会話で使っているとおりに表現しましょう。