1月の兼題
「気合い」
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大谷が 気合いで賞を
全部 獲 っ東串良町/石田 良幸 さん
(大谷選手が気合いでメジャーリグのあらゆる賞を獲得した という意味)
寿星 :「ストイック」という言葉があります。「禁欲的に厳しく自分の身を保つ」という意味ですが、大谷選手がそのものだということを聞いたことがあります。気力・精神力が強いからこその、あの活躍だったのではないでしょうか。タイムリーな話題を課題に結び付けたところがお見事でした。
キャスター:課題に何を組み合わせるかということですね。
寿星 :それを探す楽しみもありますし、同じような発想を防ぐことにもなります。大谷が 気合いで賞を
全部 獲 っ
<唱>
平然 しちょいが たぎっちょい性根
(平然としているようにみえるが、内心は燃えたぎっている という意味)
4月の開幕が待ち遠しいところです -
寒 稽 古 い 気合い気合いち喝 が飛 っ姶良市/吉原 凡才 さん
(寒稽古に、気合い気合いと喝が飛ぶ という意味)
寿星 :予想はしておりましたが、今回は「寒稽古・初稽古」の句が競合しました。そのなかでは磯浜での初稽古が多いでした。しかしこれは過去に似たような句が出尽くしております。第一発想は皆さん同じと考えた方がいいようです。
キャスター:この句はどこが良かったのですか。
寿星 :狂句的な見方でいろいろ物語を展開させてくれます。それから「気合い、気合い」と重ねたこところで臨場感が出てきました。寒 稽 古 い 気合い気合いち喝 が飛 っ
<唱> ダウンコートい 手を入れた
儘
(ダウンコートに手を入れたままの人が、気合を入れと叫んでいる という意味)
気迫が通じるといいですが・・ -
凄 ぜ気合い 孫ん剣 道 い手 いな汗鹿児島市/中村 澄子 さん
(剣道の試合の孫のすごい気合いに手に汗をかいている という意味)
キャスター: この句を天に選んだ理由は何ですか?
寿星 :自分も経験したことがあるような、いわゆる追体験をさせてくれるということです。会場に響き渡るリンとした気迫が聞こえてくるようです。風景描写だけでは狂句にはなりませんが、孫の姿に感動したお婆ちゃんがしっかり描かれております。ご高齢の方ですが、狂句に真剣に向き合っていらっしゃるのが伝わって来ます。凄 ぜ気合い 孫ん剣 道 い手 いな汗
<唱>
勇 まし姿 て鳥肌 が立 っ
(孫の勇ましい姿に鳥肌が立った という意味)
あの甘えん坊が、という新たな驚きまで感じられるようです
今月のポイント「無理な縮めかたをしない」
鹿児島弁は縮めた言い方が多いですが、言葉によっては全部が全部とは限りません。 今回の投句に「気合い→気合(きえ)」、「試合→試合(しえ)」、「応援→応援(おえん)」という音数合わせのための無理な 縮め方が見られました。日常会話で使っているとおりに表現しましょう。