トップページ  番組情報  情報WAVEかごしま  さつま狂句  2021年4月22日放送分
  • 出張でばいの ばば煮染にしめが てん

    鹿児島市 / 井戸川 満 さん

    お出張いの 婆ん煮染めが 天ぬ取っ(おでばいの ばばんにしめが てんぬとっ) 鹿児島市 / 井戸川 満 さん

    (花見では、お婆ちゃんの煮染(にし)めが一番人気が良かった という意味)

    寿星 :お婆ちゃんの煮染(にし)めの句は今までに読み尽くされておりますが、この「天を取る」の一言で輝きました。薩摩狂句をやっている方ならではの言葉選びです。これが「すごい人気だった」だけでは埋もれてしまいます。
    キャスター:花見を「お出張(でば)い」というのですね。
    寿星 :弁当を持って出かける行楽全体をいうのですが、やはり一番は花見でしょう。そこに煮染(にし)めは欠かせない一品です。

    出張でばいの ばば煮染にしめが てん

     

    <唱> 料亭よっか ぼり美味うんめどち
    (料亭の味より美味しいと舌鼓を打った という意味)

    残念ながら今年は出来ないでしょうが、来年の楽しみに残しておきましょう

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    朝寝坊あさねごろ 年中ねんじゅう追掛うかくい 収集車

    鹿屋市 / 日高 べら さん

    朝寝坊 年中追掛くい 収集車(あさねごろ ねんじゅううかくい しゅうしゅうしゃ) 鹿屋市 / 日高 べら さん

    (朝寝坊の人はしょっちゅうゴミ収集車を追いかけている という意味)

    寿星 :身近にありそうなことを、面白おかしく狂句に仕上げることが出来れば、充実感も沸いてくるのではないでしょうか。句作りとはそのような効果があると思います。
    キャスター:分かりやすく笑える句ですね。
    寿星 :薩摩狂句は何と言っても笑いが一番です。このような句をどんどん出してください。

       

    朝寝坊あさねごろ 年中ねんじゅう追掛うかくい 収集車


     

    <唱> そいもけいトれ 相当じょじょん走って
    (時には軽トラで相当走らなければならないこともある という意味)

    慌てまくって、分別したのを間違えないよう注意しましょう

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    雨予報あめよほい たたかれっ 馬鈴薯ジャガタ植え

    鹿児島市 / 加藤 十二時 さん

    雨予報い 尻つ叩かれっ 馬鈴薯植え(あめよほい けつたたかれっ ジャガタうえ) 鹿児島市 / 加藤 十二時 さん

    (雨の予報にジャガイモ植えの尻を叩かれた という意味)

    寿星 :この句は生活感、季節感が漂っていて、しかも隠されたユーモアが感じられます。「ジャガタ」という言葉の響きも良くて、鹿児島らしさにあふれております。
    キャスター:「ジャガタ」の振り仮名はカタカナですね。
    寿星 :「ジャガタラいも」からきておりますので、外来語としてこうなります。

       

    雨予報あめよほい たたかれっ 馬鈴薯ジャガタ植え


     

    <唱> せっかからんと せんとじゃなかや
    (何事も、差し迫らないとやらないのではないですか という意味)

    「そのため今年もまた花見計画がおじゃんになったのでは」と、おちょくらしてもらいます

今月のポイント「自選をしっかりと」

投句の数が2句までに限定されました。
作った句の中から絞り込まなくてはなりませんから自選力が問われます。
無難な句か、目立つ句か、同じような句はないだろうか、などの判断が大事になります。